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私見公論
2014年7月26日(土)8:55

夏休みだからこそ/仲里宏美

私見公論104

 「おはようございます。夏休みに入ったけど、予定通り宿題は進んでいる。今朝もラジオ体操したかな。部活かな。友達と遊ぶ約束してるのかな」

 毎年やってくる夏休み。今年も始まったばかり。お母さんたちの悲鳴が聞こえる。毎日三度の食事に、子どもに振り回されて一日の家事が終わらない。「かたづけて」等、大声を張り上げる。おもわず「お母さん、ファイト!」と、声を掛けたくなる。私も子どもを持つ母親の一人。夏休みとはいえ、今の子どもたちは忙しい。学校の日直や習い事。部活や課外授業などあり、けっこう学校へ行っているようだ。また、家族でのお出掛けや旅行なども計画されていると思う。

 この長い夏休みをどう過ごそうか考えている方に、ぜひお勧めしたいことがある。それは、ラジオ体操のやり方だ。皆さんはどのように取り組んでますか。行ったことないよ。子どもだけ行かしている。親子で参加しているよ。

 そこで提案する。子どもとその保護者のみではなく、その「ラジオ体操」に地域の高齢者にも声かけして一緒に行ったらどうだろうか。「ラジオ体操」は高齢者にもできる簡単な体操だ。また、体操はできないけど子どもたちの元気な様子を見ることでパワーをもらえるだろう。子どもたちは、体操後に高齢者から「ンキャーンバナス(昔話や格言)」を聞きます。これは、10年前の仲原子ども会で取り組んだ活動。地域の高齢者の方々を放送で呼びかけ、体操後、10分程度の話をしてもらった。その中で印象に残っているのが「ピトゥヌ キィムー マツギーヌ パーンドゥ ツツマイ(人の気持ちは松の葉のような小さい厚意でも伝わるもの)」や「イディギスモー ピトゥヌタミ タミギモー ドゥーガタミ(指摘することは人のため、自制心は自分のため)」です。子どものみならず私たち保護者も夢中で聞いていたのを覚えている。話をしてくれたおじいも満面の笑顔で満足そうだった。

 また、土日などは、体操後に会議用テーブルを公民館より持ち出し勉強会を行った。お互いに教えあったり、上級生が下級生に分からない箇所を教えたりして、異年齢の交流が深まった。高校生になった子どもたちにも声かけし、参加してもらった。

 共働きの家庭では、学童を利用したり、習い事をさせたり、中には日中子どもだけという家庭もあると耳にする。特に小学校低学年のお子さんを持つ保護者の方は心配でしょう。時には、おじい・おばあに預けるのも大切なことだと思います。夏休み中ずっと預けると、おじい・おばあは大変だが、時々預ける分は意外と楽しみにしてくれるでしょう。そして、おじい・おばあと一緒にいることで、格段と成長すると良く聞きます。子どもの成長には「知・徳・体」が必要と言います。「知」は知識や知恵、「徳」は心の成長、「体」は身体の成長と言われます。知識は学校で習得しますが、知恵は日々の生活の中からの経験です。おじい・おばあは最適な先生と言えます。また、おじい・おばあと一緒にいることで高齢者を敬う心が育ち、心の成長につながると思います。おじい・おばあに預けることで、仕事にも集中でき、子どもにも良い影響があり、高齢者は生きがいが持てて、「一石二鳥」いや「三鳥」「四鳥」にもなり得ます。宮古島に祖父母のいない家庭は近所や友達のおじい・おばあの力を借りるのはいかがでしょう。

 夏休みだからこそ、やってみてはどうでしょうか。

 私は、私見公論を書く中で、家族のつながり、地域のつながりの重要性を再確認することができた。地域共同体の崩壊が叫ばれている現在、宮古島はどうだろうか。崩壊へと進んではいるが、まだ立て直す力は残っていると思う。私たち世代が子どもと高齢者のパイプになり、高齢者から知恵を教わり、子どもたちの健全育成に一緒に努めていきませんか。また、頼りにすることで、高齢者の方々も生きがいを持って余生を楽しく過ごしていけるのではないでしょうか。

 このような機会を与えていただき、また読んでいただき、ありがとうございました。
 (なかざと ひろみ・人権擁護委員)

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