行雲流水
2014年8月16日(土)8:55
「囲碁は」(行雲流水)
囲碁は「手談」とも呼ぶ。盤上に打つ一手一手で心の会話ができるからだ。相手は言葉の通じない外国人や初対面の人でもいい。昼間は手談を交わし、その夜は酒を酌み交わして友人になっていることが多い
▼最近の囲碁大会に本土に住む30代の若者が参加し、優勝した。大会後、歓迎のオトーリが回り彼もすぐ宮古の囲碁友になった。彼に高校時代まで体験したテレビゲームと囲碁とではどちらが面白いか聞いた。「テレビゲームはすぐに飽きるけど、囲碁はゲームの展開パターンが無限のため飽きない」。囲碁に軍配を上げた
▼宮古は囲碁の盛んな地域として知られる。出身の打ち手はプロの女流本因坊、棋聖を獲得した知念かおりさんや昭和30~40年代に県内アマ碁界で活躍した下地玄忠さん、県内アマ棋戦の全タイトルを取った池間博美さんらが名高い
▼輝く実績を残す宮古だが現在は囲碁を打つ若者が以前と比べ減った。宮古囲碁界の再度の盛り上げへ子供や若者を囲碁に触れさせる機会づくりが課題となりそうだ
▼日本に古くから伝わる囲碁は現在、世界80カ国以上で打たれ、日本の愛好者は600万人(2013年現在)といわれる。日本棋院によれば、囲碁を授業に取り入れている学校は小・中・高校合わせて全国で30校以上に増えた
▼囲碁は思考力や集中力、忍耐力、向上心、構想力、判断力などを養う。囲碁を打つ人は礼儀正しく、真面目な人が多い。礼で始まり礼に終わる対局儀礼は精神面にも良い影響を与えている。