「有所見率」64・9%/宮古労基署発表
職場定期健診、前年比3・1ポイント増/初めて県平均を上回る
宮古労働基準監督署(南隆功署長)は15日、同署管内の2013年定期健康診断の状況を発表した。それによると、健診項目に異常が認められた労働者の割合を示す「有所見率」が前年比3・1ポイント増加の64・9%となり、今回初めて県平均(63・7%)を上回った。沖縄県の有所見率は全国ワースト1で宮古地区の今回の数値はそれよりもさらに悪い結果となったことについて同署では「労使ともに健康づくりを意識し、継続的に実践する必要がある」としている。
今回の職場健診の状況は、50人以上の労働者が働く28の事業所(2090人)から提出された健診結果をまとめた。
有所見率はここ数年、全国平均が50%台前半で推移しているのに対し、沖縄県は60~65%台で推移している。
宮古地区は、50%台後半で推移していたが2012年は前年よりも4・7ポイント上がって61・8%となり、県平均との差も2・1ポイントに縮まっていた。
健診項目別の異常では、「血中脂質」が最も高く35・4%。次いで「血圧」の24・0%、「肝機能」19・1%、「血糖」15・1%などとなっている。
全国平均と県平均との比較では「血圧」「貧血」「血糖」が高くなっている。
有所見率の業種別では「清掃と畜業」が89・1%と最も高く、次いで「商業」の69・4%、「接客・娯楽業」の68・6%の順となっており、この業種はすべて増加傾向で推移している。
有所見率上昇の背景には、食生活の変化(欧米化)や、運動不足などが原因として考えられ、さらに宮古では幼少期からの肥満率や夜更かし率が高く、これが成人期まで影響している可能性が高いとしている。
宮古労働基準監督署では、有所見率改善ついて「宮古は中小企業が多く産業衛生スタッフとなるキーマンの選任や育成等が必要。また、労働者の意識付けもまだ発展途上であり、積極的な姿勢も求められる」と訴えている。
そのほかにも、職域での対策だけでなく地域や教育現場での取り組みや今回の宮古地区の受診率が77・5%と県平均(93・2%)や全国平均(88・6%)に比べても低かったことから受診率を100%にすることも示された。
労基署は今後に向け①労働者および事業者へ健康づくりアンケート実施②有所見者対策として事後措置に関する指導の実施③10月の労働衛生週間に向けて啓発活動や地域保健関係会議への参加④健康相談や保健指導等の促進と労災保険2次検診の利用拡大-などに取り組む方針を示している。