肉用牛販売額 15億6800万円/14年度上半期実績
子牛平均は49万9900円/課題は上場頭数の減少
JAおきなわ宮古地区畜産振興センターは24日までに、宮古、多良間両家畜市場の2014年度上半期(4~9月)に開かれた肉用牛競りの実績をまとめた。子牛1頭平均価格は前年度比4万4819円高の49万9983円、平均キロ単価は同比199円高の2014円といずれも高い値で推移している。成牛を含む全体の販売額は15億6800万円だった。高値取引が続く両市場だが、子牛上場頭数の減少が大きな課題として浮上している。
14年度上半期6カ月間で宮古市場6回、多良間市場では4回の競りがあった。
宮古市場では2238頭の子牛が競り落とされ、1頭平均価格は前年度より4万6494円高い51万2188円、平均キロ単価は同比201円高の2026円といずれも高値が付いた。
性別の1頭平均価格は去勢が53万9803円、雌が47万3422円だった。
子牛のみの販売額は11億4600万円で、成牛を含むと12億2900万円の売り上げがあった。
多良間市場では子牛716頭の取引が成立した。1頭平均価格は前年度比4万7664円高の46万1831円だった。性別にみると去勢が48万7920円、雌が43万445円。平均キロ単価は前年度と比べて200円高の1974円と宮古市場同様に高値だった。
高値の要因は全国的に子牛が不足していること。10年に宮崎県で発生した口蹄疫と、11年の福島第1原発事故の影響で子牛が不足する状況が続いている。
ただ、高値取引の一方で宮古地区における子牛上場頭数の減少は大きな課題として挙げられる。
14年度上半期の上場頭数は宮古、多良間市場を合わせて2860頭(比較のため多良間9月競り=前年未開催=を除く)で、前年度より171頭減少している。
畜産振興センターなど関係団体は、上場頭数の減少が市場の信頼性に直接響くことを懸念。「このような状況に歯止めをかけ、子牛の安定的生産を継続するための最優先課題は母牛の増頭になる」とし、生産者に実践を呼び掛けている。