児童虐待件数は25件/市4~8月末
過去の年間数を上回る
宮古島市で18歳未満の子供に危害を加えた疑いのある児童虐待件数は今年4~8月末までに25件となり、過去6年間の年間件数をすでに上回っていることが市児童家庭課のまとめで分かった。市家庭児童相談室に寄せられた相談件数も延べ158件に達し、過去6年間で最も多かった前年度の延べ160件に迫る水準となっている。
傷害や暴行など身体的虐待を受けたのが9件(36%)と最も多く、心理的虐待は8件(32%)、育児放棄などのネグレクトは7件(28%)、性的虐待1件(4%)となっている。
市の児童虐待については市議会(真栄城徳彦議長)9月定例会一般質問で、富永元順氏が実態と防止条例制定への取り組みについて質問した。
市福祉部の譜久村基嗣部長は、児童虐待の対応は児童相談員に相談や通告があった時点で安全確認の調査を行っているとし「調査後は関係機関と連携し、子供と保護者にとって最も効果的な対策を取っている」と説明した。
児童虐待防止については、2000年度に児童虐待の防止等に関する法律が施行されたことに伴い、04年度に児童福祉法の一部が改正された。
この中には、児童虐待に対応するための市町村の具体的な組織の設置が義務付けられている。
これを受け、市は06年2月に要保護児童対策地域運営要綱を制定し、要保護児童の適切な保護を図る取り組みを実施している。
譜久村部長は答弁で「市では児童虐待防止条例の制定に向けての取り組みについては、特に行っていない」としながらも「県の指導や県内市町村の動向を注視して判断していきたい」と述べ、条例制定に前向きに取り組む姿勢を示した。