蓄電池2号機設置はじまる/来間島
年末には運用開始/スマエコ100%自活事業で
県のスマートエネルギーアイランド基盤構築事業の一環として、宮古島市が事業委託を受け進めている「来間島再生可能エネルギー100%自活実証事業」で、太陽光発電でできた電気を貯めておく「蓄電池システム」第2号機の設置作業が先月25日からはじまった。11月21日までに工事を完了し、年内には2号機も運用する予定だ。同事業は島で使用する電力を太陽光発電によって「自給自足」しようという試みで、実証試験後の実用化には大きな期待が寄せられている。
太陽光発電による電力の地産地消を目指す同事業は、来間島に蓄電池第1号機が設置された今年1月9日に開始された。一地域で作られる電気で、その地域内の電力消費をすべて賄う試みは全国でも初めて。
設置された蓄電池1基あたりの蓄電量は最大176㌔㍗で、来間島総世帯数88戸で使用する最大電力量は夏場のピーク時で約220㌔㍗を超える。そのため、1号機だけでは実証実験のための蓄電量が不足しており、当初計画に基づき増設する予定だった。
蓄電池システムの1基あたりの価格は1億8126万円掛かり、予算化が難しい状況だったが、県の予算措置が行われたため、市も特別会計補正予算として予算措置し設置に至った。
県産業政策課は同事業について、「来間島の実証試験が円滑に進められれば、小規模離島を多く抱える離島県沖縄にとって、画期的なエコエネルギー活用事例となるのは間違いない」としている。
来間島では個人と宮古島市が整備した太陽光発電設備計31カ所で、日中に作った余剰電力を蓄電池に蓄え、発電できない夜間などに供給することで、消費電力を再生可能エネルギーで賄うことを目指しているが、太陽光発電は気象条件などによって、その供給量が不安定になることから、安定供給に資するためのEMS(エネルギー・マネジメント・システム)の運用も同実証事業の重要な要素となっている。同事業は今年度末まで行われる予定だ。