農地取得 25㌃から可能に/宮古島市
経営基本構想を見直し
宮古島市の「農業経営基盤強化の促進に関する基本的な構想」がこのほど見直され、農地を取得、または賃借する際の面積が条件付きで25㌃(ハウス等を設置するため事実上30㌃)から可能となった。品目はマンゴーとニガウリに限る。市の農業委員会が定める下限面積は50㌃だが、この2品目に限っては面積25㌃でも年間350万円(新規就農者は175万円)の所得が可能と判断し、経営基盤強化の観点から見直した。就農青年らの要望に応えた。
農地を取得したり、借りたりする場合の下限の面積は、2009年に施行された農地法の改正に伴って各地の農業委員会で定められるようになった。
これに従い宮古島市農業委員会は今年3月26日の総会において、原則として現行(13年6月27日告示)の下限面積50㌃を変更しないことを決めている。
変更しない理由は▽10年農林業センサスで市管内で50㌃以上の農地を耕作している農家が全戸数の9割以上を占めている▽遊休農地率が2・56%と低い状況であるため-としている。
ただ、若い就農者を中心に下限面積の50㌃は「大きすぎる」という意見が関係機関に寄せられていた。
8月29日に開かれた生産農家と行政との意見交換会においても「下限50㌃は新規就農者には厳しい」という声があり、行政側は「見直すべきものはしっかりと見直す」としていた。
これを受けて市が基本構想の見直しに着手。農家所得の確保と経営基盤強化の観点を重視し、マンゴーとニガウリの2品目に限っては面積25㌃から農地を取得したり、賃借したりできるような条件を整えた。
この条件が適用される農家は認定農業者か認定新規就農者のみ。立場上対象農家の身であっても、市に経営計画を認められなければ取得、賃借はできない。
今回の見直しを受け宮古地区就農青年クラブ連絡協議会の宮平浩幸会長は「行政との話し合いの中で出たことが、このような形で実現したことはとてもありがたい」などと感謝。面積25㌃については「収入面などを考えると25㌃は妥当な面積だと思う」と話した。