平和の楽曲鳴り響く/広島交響楽団
狩俣中で演奏会
文化庁主催 歌劇「カルメン」前奏曲など
国際平和文化都市「広島」を拠点とし、中国、四国地方では唯一のプロオーケストラとして日本はもとより、世界各地で演奏会を行っている「広島交響楽団」が24日、狩俣中学校(西里純二校長)で演奏会を催した。60人のフルオーケストラで編成された楽団が、ビゼー作曲のオペラ「カルメン」第1幕への前奏曲など7曲を披露した。指揮はピアニストとしても活躍する鈴木織衛氏が務めた。公演には狩俣中の生徒のほか、近隣7つの小中学校の児童生徒と教諭ら約350人が集まり、奏でられる美しいシンフォニーを堪能した。
公演は文化庁が主催する「2014年度文化芸術による子どもの育成事業」の一環として狩俣中での開催が決定した。①プロの演奏を鑑賞することにより本物の芸術に触れ、音楽を愛好する心情を育て、豊かな情操を養う②演奏を鑑賞することでマナーに気を付け、聞く態度や鑑賞する能力を養う-を狙いとしている。
演奏は「カルメン」前奏曲のほか、ブラームスの「ハンガリー組曲第5番」、アンダーソンの「ブリンク・ブランク・ブルンク」、ビゼーの「ロマ(ジプシー)の踊り」、ベートーベン「交響曲第5番(運命)第1楽章」、チャイコフスキー「くるみ割り人形~花のワルツ~」、エルガーの「威風堂々第1番」などの名曲が奏でられた。
演奏会では楽団員による楽器紹介や演奏法の紹介が行われたほか、「1分間指揮者コーナー」でオーケストラ指揮の体験が行われ、児童生徒を代表して狩俣中の宮城厚希君(3年)と来間夏希さん(2年)が鈴木さんの指導を受けながらタクトを振った。
演奏される曲を挟んで、鈴木さんがオーケストラや演奏する楽曲について分かり易く解説し、「音楽を聞くと、その情景が目に浮かぶように見えてくると思う。これからも多くの美しい音楽にたくさん触れて、豊かな経験をし、豊かな心を育ててほしい」と話した。公演の締めくくりにはオーケストラの伴奏に合わせて児童生徒らが校歌を歌い演奏会を締めくくった。