「歴史」で思考力養う/砂川小で社会科の検証授業
「社会的なものの見方や考え方を養う言語活動の工夫」を研究テーマに砂川小学校(新里二男校長)の6年生15人が9月30日、社会科の検証授業を行った。担任の下地治人教諭は「宮古島から見る交流の歴史」を取り上げ、仲宗根豊見親が琉球王朝に献上したといわれる宝剣「治金丸」をどうやって手に入れたかを全員で検証した。
この日のために、生徒たちは15世紀ごろの宮古の歴史を学び、日本の室町時代の貿易と文化と比較した。これらによって、琉球や宮古が他国と盛んに貿易を行っていたこと、また治金丸が筑紫(現在の北九州付近)で作られたのではないか、倭寇と宮古島の関係などあらゆる資料を元に一人ひとり仮説を立てた。
授業では、仮説をさらに級友らと話し合ったり、資料を確認することで、再吟味する活動を行った。生徒の中には「宮古は貿易をしていて治金丸を手に入れたのではないか」「北九州の商人が宮古の上布と交換したのでは」など、さまざまな仮説を話し合う中で最初に立てた内容に新たな見方を織り込んで再度考えをまとめた。
下地教諭は「仲宗根豊見親が手にした治金丸の入手方法について仮説を立て、資料を活用し、根拠を持って多角的、多面的に考えることを通し、思考力、判断力、表現力を育てる」と話した。今回、琉球大学教育学部の里井洋一教授や宮古郷土史研究会のメンバーらも参加して授業を見守った。