2014年秋の叙勲 仲間、砂川さんに栄誉
政府は3日付で2014年秋の叙勲受章者を発表した。全国では旭日章895人、瑞宝章3134人の計4029人(うち女性は370人)で、県関係者は43人が受章の栄誉に輝いた。宮古からは元城辺町長の仲間克さん(75)が旭日小綬章(地方自治功労)を、元砂川中学校長の砂川和之さん(82)が瑞宝双光章(教育功労)を受章した。
合併推進して良かった
旭日小綬章(地方自治功労)
仲間 克さん(75歳)/元城辺町長
叙勲授賞の知らせを受けて、「私だけの力ではないが名誉なこと。これまで支えてくれたすべての人に感謝したい」と喜びをかみしめた。
27歳で旧城辺町議会議員に当選して以来、政治に明け暮れた。1990年からは4期連続で町長選挙を勝ち抜き、城辺地域のリーダーとして行政手腕を発揮してきた。
在任期間中、強く印象に残っている事業は庁舎移転建設と合併だ。「庁舎移転建設は多くの反対があったが、これは城辺の財産になる。誰かがやらなければならないという思いで取り組んだ。幸いにも最後は町議会の同意を得て実現することができた」と振り返った。
市町村合併は「実現できて良かった」としみじみ語る。「宮古全体を俯瞰してみて、バランス良く振興すべきだと考えてきた。まだ課題は残されているが、合併を推進して良かった」と話した。
約40年間、地方自治に尽くしてきた。この長い期間を「無我夢中で走り続けた」と語る。町長のほか宮古広域圏事務組合代表理事や宮古土地改良区理事長も務め、幅広い分野で宮古地域全体の振興発展に汗を流した。
仲間さんは「満足というわけではないが、ある程度は地域の発展に尽くせたと思う」と自己評価した。今の宮古島市に対しては「宮古は農業と観光が大切。これを軸に宮古地域の振興発展に努めてほしい」と提言した。
仲間 克(なかま・かつ) 1939(昭和14)年1月2日生まれ。城辺加治道出身。57年宮古農林高校(現・宮古総合実業高)卒。66年、70年、74年旧城辺町議会議員当選。83年同町収入役、87年同町助役、90年から4期連続で旧城辺町長当選。
「分かる授業」研究続ける
瑞宝双光章(教育功労)
砂川 和之さん(82歳)/元公立中学校長
今回の受章について「意外なことであり、身に余る光栄。受章できたのは40年間の教職生活の中で当時の教師やPTA、地域の皆さんの協力と、本島や県外での研修参加のため留守にしがちで家庭を任せきりにしてきた妻の支援のおかげと感謝している」と感想を語る。
教師時代は児童生徒に頑張ってもらうための教材、教具を研究し、「分かる授業」の実現のため研究を重ねてきた。自身で制作した教具のうち、力学指導用の砂車、電磁石、社会科用地図の3点は沖縄の自作教具展で入賞を果たしている。「生徒全員分の教具を作ると喜んで勉強に取り組んでくれていた」と振り返る。
研究指定校として小学校3校、中学校2校の計5校で、算数実験や基礎学力向上推進など特定テーマの研究に携わってきた。「学力面やスポーツ、文化面で成果を挙げたことは今も走馬燈のように脳裏に浮かんでくる」という。
現役の教師へのアドバイスとしては「教師が常に生徒を褒め、励ますことで生徒は一生懸命に努力する。良いところを見つけ、褒め、励ましてほしい」と語る。
今回の叙勲受章を機に、これまで以上に社会貢献をしていきたいと意気込む。「地域や学校のために役立つことをしないといけないと思っている。受章に恥じないよう、頑張っていきたい」と今後の抱負を語った。
砂川 和之(すなかわ・かずゆき) 1932(昭和7)年6月10日、城辺字友利生まれ。82歳。宮古教員訓練学校卒。53年に上野小学校採用。西辺小学校教頭、大里中学校(南城市)校長、砂川中学校校長などを経て、93年3月に定年退職。