農家手取額水準の確保を/県農業代表者大会
キビ農家が保護訴え/600人参加し宣言採択
【那覇支社】2014年産さとうきび価格・政策の確立に向けた「県農業代表者大会」(主催・県さとうきび対策本部)が25日、南風原町立中央公民館で開かれた。県内各地のサトウキビ生産農家や農業機関の関係者ら約600人が集結し、政府のTPP(環太平洋経済連携協定)交渉で守り抜く国益の実現と農家手取額水準の確保などを求める大会宣言を採択した。宮古から6地区の生産組合やJA宮古各支店の代表者19人が参加した。
主催者あいさつで新崎弘光対策本部長は「今年の運動は『増産基金事業の積み増し』と『再生産可能な農家手取額水準の確保』が重要なポイントになる。生産者が安心して生産に取り組める政策の実現を求めて要請活動を展開したい」と述べた。
JAおきなわの砂川博紀理事長はサトウキビや牛肉など農産物5品目の関税が確保できない場合の交渉の即時脱退を強調。糖価調整制度の堅持や甘味資源作物交付金の確保、増産基金事業の追加、甘しゃ糖企業の経営安定など7項目からなる要請決議を満場一致で採択した。
決意表明で下地地区生産組合の川満省三組合長は「サトウキビがあるから島があり生活ができる。先人から引き継がれた、まさに宮古島の宝だ。TPPを締結すれば離島の地域経済は疲弊し、定住社会の存続が危ぶまれる」と訴えた。
来賓の仲井真弘多知事(代読・山城毅県農林水産部長)と翁長政俊県議会副議長はあいさつで、国に対し慎重な対応や万全な対策を講ずるようJAや関係機関と一体となって今後も要請すると強調した。
集会の後、JA宮古地区の新城武一郎本部長は「宮古のキビ生産は県全体で約5割を占め、まさに農家の命。円安によるコスト高や農家の高齢化、ハーベスターの機械化導入など課題も多いが、生産農家と連携しながら増産に取り組みたい」と話した。