荷川取さんの短編小説がSFファンタジー大賞に/RBC
ラジオドラマ化、来月14日放送
宮古島市平良の荷川取雅樹さん(47)が書いた短編小説「病院鬼ごっこ」が、琉球放送(RBC)の創立60周年を記念する「SFファンタジー大賞」に決まった。作品はラジオドラマ化され、12月14日午後4時からRBCiラジオで放送される。荷川取さんは26日、本紙の取材に「表彰されて実感が湧いてきた。自分の小説がラジオドラマ化されるのは楽しみ」と喜びを語った。
「病院鬼ごっこ」は、「病院の中で鬼ごっこをする幹太が、『こわいおばさん』から逃げるように飛び込んだ病室で、そこにいた『2人のおじー』に伝言を頼まれる。その伝言の意味とは…」
荷川取さんは「何年か前に病院の待合室で見た、子供たちの追い駆けっこがなぜかずっと印象に残っていて、何かストーリーにできないかと思っていた」と話した。
「締め切りぎりぎりの完成だったので、二つほど物語の要素を切った。ファンタジー色が薄く、かなり地味な作品なので受賞にはびっくりした」と語った。
「受賞の知らせを聞いた時は実感が湧かなかったが、日が経つにつれ徐々に湧いてきた」と荷川取さん。「ジャンルにとらわれず、書けるものを書いていきたい」と意気込みを示した。
全国から222点の応募があり、第1次審査で12点に絞り、その中から大賞1点、優秀賞2点、審査員特別賞1点をそれぞれ選んだ。
荷川取さんは2005年に、初の短編小説「前、あり」で、第33回琉球新報短編小説賞を受賞している。