「兼業禁止」で特別委設置/市議会最終本会議
議員が受注業者の役員/西里氏「委員会判断に委ねる」
宮古島市議会(真栄城徳彦議長)の12月定例会は16日に最終本会議が行われ、仲間頼信氏が西里芳明氏について市の公共工事を受注している建設会社の取締役になっていることは「議員の兼業禁止の規定に該当する」として確認を求める要求書を提出し、この問題についての特別委員会が設置された。一方、問題のきっかけとなった前日の一般質問での発言が侮辱に当たるとして西里氏が仲間氏の処分を要求し、同様に特別委員会が設置された。この問題を巡って本会議は1時間15分開会が遅れた。
仲間氏が提出した議員資格要求書には、証拠書類として西里氏が取締役を務める会社の登記簿謄本と市との工事請負契約書、変更契約書。会社の経営業務の管理責任者であることを証明する写しが添付された。
西里氏は、報道陣の取材に対して証拠として示された会社の役員であること、会社の経営業務の管理責任者であること認めた上で「公共工事を受注することについては何ら問題はないと思っていた。ただ、議員の職にあって取締役が兼業にあたるというのであれば委員会の決定に従う」と話した。
兼業禁止の規定に対する認識については「議員研修会で(市からの公共工事受注が自社年間完工高の)50%を超えなければ兼業にはならないとの話を聞いていたのでそれで大丈夫だと思っていた。取締役でいることが兼業になるのであれば私が甘かったということ。支持者にはお騒がせして申し訳ないと思う」と話した。
これに対して仲間氏は「この要求書については議会開会前に与党から『この要求書を出さないでくれ、自分たちも西里議員からの処分要求書を取り下げる。出したら大変なことになる。いろいろな関係者がいる』と言われたこの問題は市民に知らせるべきだと思い提出した」と話した。
西里氏の議員資格に対する特別委員会の委員長には垣花健志氏が、仲間氏の発言に対する処分要求に対する特別委員会の委員長には嵩原弘氏がそれぞれ就任した。両特別委とも10人の委員で構成されている。
今後の両特別委の審議については、本会議で市議会閉会中の継続審議とすることを確認した。
この件については、野党議員も、西里氏が経済工務委員会の委員長という立場にありながら、自らが役員を務める会社で公共工事を受注していたことを含め問題視している。
議員の兼業の禁止については、地方自治法第92条の2の規定で議員個人が普通地方公共団体との間で請負関係にある場合と、議員が主として同一の行為をする法人の役員等として当該法人と普通地方公共団体との間で請負関係にあるという二つの態様を禁止している。