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【特集】新年号
2015年1月1日(木)8:57

上野

子供たちに居場所提供/市立上野児童館
上野地区初オープン/友達と放課後時間楽しむ


宿題やオセロ、大縄飛びなど思い思いの時間を過ごす児童館利用者たち

宿題やオセロ、大縄飛びなど思い思いの時間を過ごす児童館利用者たち

 これまで市立児童館がなかった上野地区に昨年4月、市立上野児童館(市上野新里、垣花喜美子館長)が上野保育所南隣にオープン。地域の共働き家庭の子供らに放課後時間などでの居場所を提供している。主な利用者は幼稚園児から小学校低学年の児童で、夕方までの時間を友達と一緒に宿題をしたりオセロをしたり、走り回って遊ぶなど、毎日、楽しそうな時間を過ごしている。

 児童館とは、児童の健全育成を図るための地域組織活動の場で、地域社会の児童のための健全な遊びを通して健康を増進し、多くの仲間と触れ合う中で自己成長し、社会性を身に付け、情操を豊かにする児童厚生施設。上野児童館は市立児童館としては6施設目として2014年4月14日に開館した。

 鉄筋コンクリート造りの平屋で、床面積は約293平方㍍。館内には多目的室、工作室、図書室、相談室などがあるほか、卓球台や一輪車、大型ブロックなどの遊具もある。

 開館時間は月曜日から金曜日が午前10時から午後6時、土曜日は午前9時から午後5時だが、学校の授業が終わる午後3時30分ごろ(4校時までの金曜日は午後2時ごろ)から子供たちでにぎわい始める。

 規定では18歳以下が利用対象者で、オープン当初は小学校高学年がグループで利用する姿も見られたが、最近では幼稚園児から小学校低学年の児童が主に利用。クラスメートと宿題をしたり、オセロや一輪車で遊んだり、学年を越えて集まり大縄飛びをしたりと、放課後の時間をみんなで楽しく過ごしている。

 オープン当初から多くの子供たちに利用されていると話す垣花館長。「地域に必要とされていた施設なのだと思う」との考えを示すとともに、「両親が共働きで、放課後すぐに帰っても家に誰もいないという子もいるが、友達と遊べるから来るという子も多いと思う。学校が近いので、いったん家に帰ることなく、直接、児童館に来る子が多い」と利用状況を説明する。

 児童館は学童クラブのように子供を預かる所ではなく、子供たちが自由に遊ぶ場。基本的には利用する子供たちが思い思いの過ごし方をしているが、講師を招いての英語教室や絵画教室、硬筆教室なども開催。卓球大会やけん玉、オセロ大会なども行ってきた。今年も同様の教室や大会は継続実施する予定。垣花館長は「まだオープンしたばかり。いずれは母親クラブなど地域住民と一緒になって、イベントなどを開催していきたい」と抱負を示す。

 同施設には、乳幼児を持つ子育て中の親子を対象に育児不安についての相談や指導、保育に関する情報提供を行う市子育て支援センターと、小学生が放課後に帰宅しても家に誰もいない場合、保護者の仕事が終わるまで有料で預かり、学習や遊びを援助する学童クラブが併設されている。これらの施設を児童館に併設させるのは市としては初の取り組み。3施設の総床面積は478平方㍍、建設総事業費は1億5000万円。

 同児童館の休館は日曜、祝日、慰霊の日、年末年始(12月29日から1月3日)。児童館利用の前には保護者による利用者登録届けの提出が必要。次年度小学校に入学する予定の園児以下の利用には保護者の同伴が求められる。

 問い合わせは同館(電話76・4188)まで。


子の成長手助け/読み聞かせ「ぷからすサークル」
図書への興味高める/創造力、聞く力向上も


「上野小ぷからすサークル」のメンバーたち

「上野小ぷからすサークル」のメンバーたち

 上野小学校で毎週月曜日の朝、子供たちに読み聞かせを行っている「上野小ぷからすサークル」(甲斐郁子会長)。現在は児童の保護者20人が在籍し、毎週各クラスでさまざまな話を紹介している。子供たちの図書への興味を高めるだけでなく、創造力を豊かにさせたり、話を聞く態度を身に付けさせるなど、多くの面で子供たちの成長の手助けをしている。

 同サークルが誕生したのは2003年。それまでは小学校PTAの母親委員会メンバーで読み聞かせを行っていたが、読み聞かせ専門のサークルとして独立した。以後11年間、毎週月曜日午前8時15分から「朝の会」が始まる同30分までの15分間、1年から6年までの各クラス計6クラスに各1人のサークルメンバーが入り、話をしてきた。

 話す内容はさまざま。絵本を読み聞かせるだけでなく、本を持たずに物語を話したり、自由なテーマで子供たちと話をしたり、クイズを出題することもあるという。話をしっかりと聞くために、自分の席を離れ話し手の前に児童が集まることもある。

 甲斐会長は読み聞かせが子供たちに与える効果について「本への感心を高めたり、創造力が豊かになったり、聞く態度も良くなる。週初めの朝というざわざわとしがちな時間に話を聞くことで、落ち着いた雰囲気になって授業に入れるというメリットもあると思う」との考えを示す。

 読み聞かせをしていてうれしく感じる瞬間については「次はいつ、来てくれるの」と言われた時と話す甲斐会長。「自分の子供とは違う学年の子が声を掛けてくれることもある。楽しみにしてくれていることが伝わってきてうれしい。読み聞かせで聞いた本を図書館に借りに来る子も多いと聞く。聞いた話に興味を持って、図書館に行こうと思ってくれる子がいることもうれしい」と語った。

 毎週、読み聞かせをしているが、特別な練習などは行っておらず、自分の子供に読み聞かせする感覚で話をするというメンバーたち。読み聞かせる本のチョイスも、聞き手の年齢などにはあまりこだわらず、メンバー一人一人がその都度、良いと思う物語を子供たちに紹介している。

 読み手メンバーの中には仕事を持っていて、読み聞かせをしてから出勤する人も。メンバーの都合などを調整しながら、持ち回りで各学年のクラスで話をしているが、メンバーの都合がつかない日には5、6年生の児童が読み手を務めることもある。甲斐会長は「読み手として5、6年生と接することができるのも楽しい」という。

 同校が毎年10月に実施している読書集会にも必ず参加。これまでに劇やオペレッタ、大型紙芝居、ペープサート(紙人形劇)を手作りの大道具を使って披露するなど、さまざまな形で子供たちにお勧めの物語を紹介してきた。

 「子供たちに本に興味を持ってもらいたいとの思いは強い」と語る甲斐会長。「子供は好きな本のジャンルが偏りがちになる。そんな子供たちに『こんな本もあるんだよ』ということを、これからもっともっと紹介してあげたい」との考えを示した。

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