行雲流水
2015年1月6日(火)8:55
「虹新年に」(行雲流水)
新年に、「虹」をイメージしてみた。古来、宮古では虹を「天の蛇(てぃんぬぱう)」と呼んだ。蛇は脱皮を繰り返す故に不老不死の象徴となる。また、昇る竜をイメージさせる。キリスト教では、神が人間に与えた約束のしるしであり、ギリシャでは、天と地を結ぶ神々の使者である
▼物理学的には、光の波長によって、水滴に対する屈折率が異なるので赤から紫まで並んだスペクトル、円弧状の虹ができる
▼それにしても、太陽光(白色)がすべての色彩の光を含んだ光だということは、なんと幸せなことか。おかげで、自然がこんなにも美しい。さらに、それぞれの色は特有の精神的、心理的、印象を人に与え、覚醒させる
▼「赤」は燃える生命、「情熱」の象徴である。「橙」(だいだい)色は諸人の「幸福」、豊穣をもたらす土の色。「緑」の葉緑体は太陽からのエネルギーを有機物に変えて生物の生存を支えている。どんな草木を使っても緑色の草木染めはできないという。木々の緑は生きていること、「生命」と深く関わっている
▼「黄色」は赤と緑の間にあって調和を図り、「平和」を表象する。偏見や独善、抑圧が調和を乱す。果てしなく広がる空の「青さ」は「希望」や「憧憬」。青い鳥は幸せの鳥。虫も「自然」の仲間だから、人は虫の音ではなく、虫の声を聞く。「藍」は愛、発酵を経て、シンプルで深く神秘的な藍の色は「友愛」を担いうる。「紫」は「高貴」な色。地上における生きとし生けるものを賛美する象徴としよう
▼すべてを語っている「虹」よ、称えられてあれ!