市の来年度予算370億円台
前年度当初より増額へ
宮古島市の2015年度予算案は、前年度当初の367億円を上回る370億円台となる見通しだ。市の大型プロジェクトである未来創造センターや、スポーツ観光交流拠点施設の整備事業が本格化するのが要因。一方で、合併で増えた公共施設の維持管理費が財政を圧迫しており、施設の統廃合など無駄を徹底的に省く予算配分が求められている。交付税減額が迫っていることから、身の丈に合った財政運営が喫緊の課題だ。15年度の当初予算案は、今月下旬に1次内示、復活要求を経て2月6日に各課に最終内示される予定。
市は15年度から宮古病院跡地に建設する未来創造センター(図書館と中央公民館併設)の整備を本格化させる。合併特例債を活用し、同年度は17億5000万円をかけて施設本体工事に入る。
2階建てで総床面積は約8000平方㍍、設計費や用地費を合わせた総事業費は約42億円。
5000人が収容できるドーム型のスポーツ観光交流拠点施設は、アクセス道路整備工事の入札が来週初めにも実施される予定。
建設場所は宮古空港東側で、約3㌶の敷地造成工事も引き続き発注される。
延床面積は約5000平方㍍で、競技場(3600平方㍍)全面に人工芝を敷設し、音楽コンサート、スポーツなど各種イベントや競技などを誘致する。総事業費は約37億円。
市は大型プロジェクトは、着工から完成まで3年計画で進めていることから、事業が終了する17年度まで当初予算は370億円前後で推移していくとみている。
16年度から、国からの普通交付金上乗せ分約30億円が5年間にわたり段階的に削減される。
このため2020年度からは、30億円減額の予算編成を余儀なくされる。社会保障費は年々増加の見通しであることから、財政運営はさらに厳しいことが予測される。
市は、類似施設や老朽化した公共施設の統廃合を進め、維持管理費の縮減を図るなど徹底した財政の効率化を図る方針。
ちなみに市の14年度一般会計予算は、補正を積み重ねて現在は405億2400万円の過去最大となっている。県内類似団体との比較や適正予算規模から見ると突出している。