水源保全地域に不法投棄
衣類やたんすなど大量/大野山林内
市東仲宗根添の大野山林で7日、大量の不法投棄が見つかった。捨てられていたのは衣類やたんす、食器類などの廃棄物で、周辺の状況から年末から年始にかけて投棄したものとみられる。大野山林一帯は水道水源保全地域に指定されており、発見した市民は「自分たちの飲み水にごみを捨てるようなもの」とあきれている。
現場は、サトウキビ畑やマンゴーハウスが広がる農道沿い。約3㍍下の雑木林の2カ所に、布団やマットレスなど家庭で不用になった物が投げ捨てられている。
近くの農家の人が見つけ、市環境衛生課に連絡した。
同課職員が現場を確認したところ、廃棄物の中から領収証などが出てきたことから、投棄した実行者を特定できるのかどうか慎重に判断する方針だ。
大野山林は宮古島最大の森林で面積は約170㌶。アカギやリュウキュウマツ、タブノキなどの樹木のほか、多種多様な植物や鳥類、昆虫類などが観察される。
山林一帯は、水環境の保全を図る上で重要とされる水道水源保全地域に指定されており「宮古島の水がめ」とも呼ばれている。
2013年5月の「宮古島市美化清掃の日」には市民らが参加し、廃棄物やポイ捨てされたごみの一掃を図ったばかり。
市は不法投棄の県内ワーストワンを返上しようと、12年度から一括交付金を活用して撤去作業を実施した。現場を確認した環境衛生課の職員は「市民ぐるみで撤去活動を展開したのに残念」と肩を落とした。
ごみの不法投棄は「廃棄物の処理および清掃に関する法律」第25条により、5年以下の懲役、1000万円以下の罰金に処せられる。