「はやて」エンジン修理へ
再運航困難、伊良部航路に別れ
31日で伊良部島-宮古本島間を結ぶ離島航路が閉鎖・廃止されるのが迫っている中、船会社「はやて」(本社・伊良部、川平三秀代表)のスーパーライナー「はやて」(145㌧、佐久川清修船長ら乗組員3人)が24日午後零時すぎ、エンジン修理のためタグボート「うるま」(193㌧、植田浩一船長)にえい航され糸満造船所へ向かって平良港を出港した。伊良部大橋が開通する31日午後が最終運航となるが、この日までに「はやて」が無事修理を終えて再運航するのは難しい見通し。
「はやて」は本土で建造され、2006(平成18)年3月に伊良部-宮古本島間の一般旅客定期航路に初就航した。双胴型アルミ合金型の船体で、客室と車輌搭載スペースが設けられ、快適な船旅を提供した。初就航から今年で8年。
今月に入ってからエンジンが不調のため、平良港の離島航路発着場の浮き桟橋に係留していた。
この日、沖縄本島のうるま市からタグボート「うるま」が入港した。「うるま」の船尾と「はやて」の船首を太いロープでつなぎ、慎重にえい航した。きょう25日午前8時ごろに、糸満漁港に到着する予定。到着後、糸満造船所でドック入りする。
船会社「はやて」の川平力八船舶部長は「やがて離島航路事業が終わるので、寂しくなる。長年利用したお客様に対しては感謝でいっぱい。これまで毎日船内で何百人との出会いがあり、その出会いが私の最高の宝」と思い出をかみしめていた。