行雲流水
2015年1月27日(火)8:55
「伊良部大橋開通」(行雲流水)
国引き(島引き)神話が各地に数多く伝えられている。その一つ、出雲の創造神は出来たての出雲は小さいので、よそから陸地(島根半島)を引き寄せてつなぐことで、大きく豊かな地域にした。いにしえの人々がつくり伝えた豪壮雄大なドラマである
▼待望の伊良部架橋は、一つの橋が架かるというだけでなく、島と島をお互いに引き寄せてつなぐことで、より大きな、活気に満ちた魅力的な地域が形成されるという、イメージを抱かせる
▼伊良部地区にとっては、教育や医療、文化の交流や物流の充実、地下水利用のためのインフラの整備等が期待されている。市民にとっての期待の一つはドライブコースの拡大である。日の出の美しい東平安名崎の雄大な景観、7㌔にもおよぶ白砂の与那覇前浜とエメラルドグリーンの海とのコントラストの美しさ等、多くの景観に加えて、日本の渚100選に選ばれた「佐和田の浜」や、二つの池が水中でつながっていて神秘的に色彩が変化する「通り池」などが加わると、魅力が一層深まる
▼それは同時に観光地としての魅力を増すことになる。観光には、地域の特産品やグルメがほしい。また、地域の文化と人々との交流が望ましい
▼実質的な地域の拡大は、地場産業や各種イベントの活性化、新たな産業の立地条件の向上をもたらすだろう
▼神話をつくった人々の豪快な発想力に学び、人間のつくった舞台で何をどうするか、住民の英知と行動力が求められる。