「新教育長」焦点に/改正教育行政法
4月以降は首長が任命/市教委、関連議案を可決
宮古島市教育委員会(佐平博昭委員長)の第10回定例会が27日開かれ、4月に施行される改正地方教育行政法に伴う関連議案を可決した。改正法では首長の権限が強化され、教育委員長と教育長を一本化する「新教育長」の任命権や教育大綱策定の決定権を持つ。新教育長の任命には経過措置があり、現教育長の任期期間中は現行体制を継続できるが、法改正に合わせて新教育長の任命を検討する自治体もある。今後は任命権を持つ下地敏彦市長の判断が注目される。
改正法は教育委員会制度を見直すもので、ポイントは▽新教育長の設置▽教育長へのチェック機能の強化と会議の透明化▽総合教育会議の設置▽首長が策定する教育大綱―の4点。
現行制度では、教育委員長は教育委員の中から互選され、教育長は教育委員会が任命する。改正法ではこの二つのポストを統合。首長が新教育長を任命することで責任を明確化する。
総合教育会議は、教育行政における首長の果たす責任や役割を明確にすることが狙い。首長と教育委員会で構成し、教育行政全般にわたって議論を深める。
教育大綱は教育の目標や施策の根本的な方針。総合教育会議において首長と教育委員会が協議・調整を尽くして首長が策定する。
新教育長の設置については事務局が「県内11市の対応をみてみると、まだ具体的に決めていないケースが多い」などと説明。改正法の施行日に合わせて任命するのか、経過措置を利用するのか各自治体とも苦慮している現状を報告した。
27日の定例会では、この改正法の施行に伴う関連議案を審議。市長部局に対して、教育長の勤務時間その他勤務条件および職務に専念する義務の免除に関する条例などを市議会3月定例会に提出するよう求める議案を全会一致で可決した。
このほか、市立図書館運営規則の一部改正案や給食配送車購入にかかる予算要求、市芸術文化支援補助金交付要綱なども審議。給食配送車は、下地中学校の生徒が道路を横切って給食を運んでいる現状の解消と衛生管理の徹底を勘案して同車の設置を求める。