「長年ありがとう」/伊良部航路
宮古フェリー無料運航/利用者から感謝の声
伊良部大橋開通に伴い航路廃止となる宮古フェリー(新垣盛雄社長)が長年の利用に感謝の意を込めて29日から一部の便で無料運航を行っている。フェリーを利用した乗客からは島民の足として安全運航を行ってきた同社への感謝の声が聞かれた。
佐良浜から無料運航の初便で平良港に降りた吉濱裕子さん(57)は「本当にありがとうと言いたい。昔からずっと船で平良に通っていたので大橋開通はうれしいけどフェリーがなくなるのはやっぱり寂しい」と話した。
伊良部出身の濱川惠子さん(59)は「今はうれしいような寂しいような複雑な気持ち。フェリーには感謝だし、大橋開通はとてもうれしい。大橋開通記念のウオーキングでみた大橋からの景色は素晴らしかったので1年前から習い始めた三線で歌にしてみたい」と笑顔で話した。
東京から大橋開通のために里帰りしたと話す玉寄幸男さん(56)は「子供のころからずっと乗ってきたフェリーなのでなくなるのは寂しい。今回は大橋を渡ることと最後にフェリーに乗ることを目的に帰ってきた。31日までに友人たちも帰ってくるので故郷の発展を一緒に祝いたい」と述べた。
宮古フェリーの新垣社長は「利用者の皆さんが喜んでくれているので良かった。温かい心で伊良部航路を見守ってもらって本当に感謝している。最終日のセレモニーの準備も整えてたので最後まで安全運航で就航を終えたい」と話した。
無料運航は29~31日の3日間行われ、佐良浜発が午前10時と同11時。平良発が午前10時30分と同11時30分。
31日は佐良浜発の最終便(午後6時25分発)と最後の運航となる午後6時45分の平良発が無料運航となり、最終便出発前にはセレモニーが行われ、船長への花束贈呈のほか、7色のテープを配布して最後の出航を見送る予定。
新垣社長は「31日の最終運航便は出発前にセレモニーが行われ、少し時間が遅れると思うので利用者の皆さんには理解してほしい」と話した。