御霊に悲願成就を報告/大橋開通
伊良部丸慰霊碑に関係者集う
75年前に多くの犠牲者を出した「伊良部丸」沈没事故を受けて建立された慰霊碑に伊良部大橋開通という圏域住民の悲願達成を伝える報告会が1日、同碑が建立された渡口の浜近くのカース海岸で行われた。
同報告会実行委員会の仲間清昌委員長は「伊良部丸の沈没では74人の犠牲者が出た。悲劇を繰り返さないことや離島苦を解消するために伊良部の人たちは架橋の建設を求めた。伊良部大橋が開通し伊良部-平良間の海難事故はなくなった。そのことを御霊に報告し、この大橋が永久に安全な橋であることを祈願したい」と式辞を述べた。
また、多くの関係者が大橋開通の報告と追悼の言葉を述べ、元伊良部架橋建設促進期成会長の奥濱幸雄さんは「近年は参加者の減少で慰霊祭が開催できずに中止となっていたが、この報告会が慰霊祭復活を呼び掛ける機会になってほしい」と述べた。
報告会には、関係者らが参加し黙とうで遺族の御霊を慰めた上で、伊良部大橋開通という島民の悲願成就を報告した。
同実行委によると、伊良部丸は1940年6月30日に沈没し、70人以上が犠牲になる大きな海難事故となった。
事故から43年後、当時の川満昭吉伊良部町長が伊良部丸の沈没を風化させてはいけないと渡口の浜近くのカース海岸に、事故現場近くの海中から引き揚げた大きな岩を「慰霊碑」として建立して慰霊祭を開催してきた。
このような悲劇を繰り返さないことなどを理由に伊良部架橋建設を求める動きとなり、要請から40年の歳月を経て1月31日に伊良部大橋が開通した。