キビの害虫減少に結束/フェロモン防除開始式
サトウキビに被害を及ぼすイネヨトウの個体数減少に向け、「イネヨトウ宮古島全島フェロモン防除開始式」(主催・宮古地区さとうきび糖業振興会)が4日、福山公民館で開かれた。県、市、キビ生産農家、さとうきび生産組合、沖縄製糖、宮古製糖など関係者ら約100人が参加し、防除開始の周知徹底を図った。
式で、同振興会長の下地敏彦市長(代読)は「県内においては、5年前から急激にイネヨトウが発生し、一部地域においてはサトウキビに大きな被害を受け、キビが減産し危機的な状況に陥った地域もある。宮古地区においても、イネトヨウの発生が見られ、これまで多良間村や伊良部島で事業を行ってきた。宮古本島においては、県と県糖業振興協会の特段の配慮により、昨年7月から取り組み始め、宮古地区糖業振興会が委託を受けて事業を行うことになった」と経緯の一部を述べた。
その上で「キビ農家と関係機関の力を最後まで結集して、この設置作業が円滑に行われ、宮古島のキビ増産につながることを祈念する」と語った。
県農林水産振興センターの前田幹男所長は「イネヨトウトラップ調査によると、宮古地域は沖縄の他の地域と比べて倍の生息密度になっている。今後の継続的な雑草の除去や農薬散布と併せてフェロモン防除を実施することで高い効果が期待される」と強調した。
次いで市農林水産部の村吉順栄部長と県糖業振興協会の比嘉靖理事長が激励のあいさつを行い、今後の防除効果に期待を込めた。
フェロモンチューブ設置作業の説明後、参加者全員で平良地区さとうきび生産組合の砂川栄組合長の発声の下、ガンバロウ三唱を行った。