那覇-宮古線 大幅値上げを否定/JTA・ANA
SKY撤退後の対応説明
日本トランスオーシャン航空(JTA、本社・那覇市、丸川潔社長)の内間康貴取締役が5日、宮古毎日新聞社を訪ね、那覇-宮古線の運賃について、民事再生法の適用を申請したスカイマーク(SKY)が同路線から撤退した後も、同社参入前の運賃に戻すことはせず、一部の便で数百円程度の値上げを行うにとどめることを明らかにした。全日空(ANA)も同日、本紙の取材に対し、現時点で運賃変更の計画はないと語った。
内間取締役は、3月29日から6月30日搭乗分の那覇-宮古線の新運賃の届け出を5日付で国土交通省に行ったことを報告。その内容について、曜日や便の時間帯などにより200円から700円の値上げを行うものの、運賃低減化のきっかけとなったSKY撤退後も、大幅な値上げは行わない考えを示した。
SKYは2011年9月から那覇-宮古線の運航に最安で2800円という低価格で参入。それに対抗する形で既存の航空会社も値下げを実施し、運賃の低減化が実現した。しかし、SKYが同路線の運行を休止した2013年4月から再開するまでの2カ月間、他社は同期間搭乗分の運賃をSKY参入前に近い金額へ引き上げていた。
内間取締役は当時を振り返り、「多くの人から苦言や叱咤激励をもらった」とした上で、「機構、構造改革に取り組んでいた時期で、収入の確保が必要だった」と大幅な値上げを実施した状況を説明。現状については「今はコスト面や構造もシェイプアップでき、今回、届け出た運賃で戦えると考えている。今後もこの範囲で進めたい」として、今後も、大幅な値上げは行わない方針であることを明らかにした。
ANAの広報(東京)はSKY撤退後の那覇-宮古線の運賃について、「現時点では具体的な運賃変更の計画はない。運賃の見直しはマーケットの状況や動向を勘案しながら決定していくものなので、今後、一切の値上げがないとは言えないが、今のところ短期的な見直し計画はない」と話した。