具体的な議論に至らず/西里氏資格審査特別委
「判例」と「地方自治法」で衝突
西里芳明市議の議員資格を審査する第5回資格審査特別委員会(垣花健志委員長)が6日、市役所平良庁舎で行われた。これまで具体的な審議には至らないまま進んできた同委員会はこの日も必要とする資料について「すでに資料はそろっている」との意見と「判断する資料はもっとしっかりそろえるべき」とで衝突。具体的な議論には至らず、次回は焦点を明確にした上で資格審査の審議を行うことを確認した。次回の委員会は19日に行われる。
これまでの議論では、与党議員が「兼業禁止」について、過去に「一事業年度における全業務量の50%以上が当該団体の請負である場合は兼業禁止に当たる」との「判例」を前面に押し出し、西里氏についても1期目ではなく2期目以降の実績について、判例で示されている「50%」を基準に議論を進めていくべきとしている。
一方で野党と一部の委員からは「参考資料として示されている『50%が目安である』というのはあくまで議員資格を失った後に裁判となって出た判決の一つであり、議員の兼業を禁止する地方自治法の92条の2にはそのような数字はない。『判例』のみにとらわれるのではなく問題の本質を市民につまびらかにしないといけない」とし、西里氏の1期目を含めた公共工事の受注実績や常勤でなければならないとされている経営業務の管理責任者でありながら議員活動を行っていたことも含め審議していくことを求めている。
この日も、西里氏の経営業務管理責任者としての在任期間を巡る資料請求問題で意見が衝突し、ほとんどの時間を費やした。
こうした状況から、次回は問題の焦点を整理した上で議論を進めることを確認した。
そのほか、野党からは今後の委員会で入札の指名選定委員長を務める長濱政治副市長や当該建設会社の代表、西里氏本人の参考人招致が必要との意見も出された。
終了間際には垣花委員長が「今後の資料請求は打ち切りたい」との発言に一部委員からは反発の声が上がり、さらに垣花委員長が「3月議会までにはちゃんと終了しないといけない」と発言したところ「3月議会までに終了すると誰が決めたのか」など不満の声も上がった。
これに対して垣花委員長は「大切な問題なので早めに結論を出すべきだというのが私の考え。3月議会までにきちんと終了したいと思っている。それについては共通認識を持ってほしい。これは委員長としてのお願いだ」と述べた。