「子供の良き援助者に」/みつば保育園
創立50周年記念子育て講演会
みつば保育園(島尻末子園長)の創立50周年記念事業「子育て講演会」が7日、平良カトリック教会聖堂で開催された。「モンテッソーリ教育が育む新しい子ども平和~ダメという前に大人ができる援助とは~」の演題でエンジェルハウス研究所の田中昌子所長が講話した。会場には園児の保護者らが詰め掛け、モンテッソーリ教育の子育てについて学んだ。
田中さんは、イタリア初の女性医師マリア・モンテッソーリの幼児教育法について紹介した上で、子供との向き合い方や子供の可能性を信じた教育方法について紹介した。
モンテッソーリ教育では、大人と子供の関係を強者と弱者と位置づけ、強者(大人)は弱者(子供)に対して知らず知らずのうちに抑圧を与えていることを紹介。
「抑圧」とは、暴力や言葉による「脅し」や「禁止」などで、大人がそうした外的動機付けで子供を動かすことであり、大人は自分がどれほど子供を抑圧しているのかについて気づいていないとしている。
田中さんは「弱者と強者の戦争は、強者である大人がやめなければならないとモンテッソーリは述べている。テッソーリ教育の実践とは大人が強者、子どもが弱者の図式は変わらないが、子供に与えられるものが『抑圧』ではなく、『適切な援助』によるより良い環境を整えて、子供に多くの実体験をさせてあげること呼び掛けている」と話した。
さらに「適切な援助で子供には内的動機付けが生まれ、内面から道徳心や自制心、やる気、好奇心が生まれる。それは成長して常に心の平和を保ち、平和を生きる人になる。これがモンテッソーリ教育の素晴らしい意義があり、現代社会の問題を解決する鍵になることになる」と訴えた。
子育てについて、田中さんは「人間は一人一人違う。それぞれに無限の可能性があるということであり、目先の結果を求めず、親の理想を当てはめずに子供自身が持つ限りない可能性を信じて子どもが自分の能力を最大限に引き出すための良き援助をすることが大切」と呼び掛けた。