6.6%減の343億円/市15年度予算案
ごみ処理施設整備減など要因/一括交付金でドーム施設建設
宮古島市は9日、2015年度一般会計当初予算案を発表した。総額は343億3000万円で、前年度当初予算に比べ24億1800万円(6・6%)減少した。ごみ処理施設整備事業や学校建設などが前年度比22億4000万円減少したことが要因。主な事業は市制施行10周年記念事業に1480万円、伊良部大橋開通で離島航路廃止に伴う船舶会社社員らの当面の生活費など渡船廃止見舞い金交付事業など。一括交付金(事業費ベース)は20億円を計上、ハード事業は池間地区津波避難施設整備事業やドーム型のスポーツ観光交流施設建設など、ソフト事業は選手派遣補助金交付事業などに充てる。
15年度は宮古島市市制施行10周年(10月1日)に当たると同時に、普通交付税の合併算定替え満額算定(合併による特例)の最終年度になる。16年度から5年間にわたり交付税が削減され、最終的には約30億円が削減される見通し。
市民サービス向上を図るためには、一般財源の確保が喫緊の課題となっている。
歳入全体に占める市税などの自主財源は61億1200万円(構成比18%)。地方交付税などの依存財源は282億1800万円で全体の82%を占め、国や県に頼らざるを得ない厳しい財政状況に変わりない。
歳出の義務的経費は165億1600万円で、構成比は48%と最も大きな割合を占めた。
このうち、人件費は61億5600万円と前年度比4億4000万円(6・7%)減少したが、生活保護費や医療費の増加などで扶助費は66億5800万円となり、前年度比5億1000万円(8・4%)増加した。
投資的経費は75億2200万円(構成比22%)で、内訳は▽補助事業費60億9200万円▽単独事業費6億5100万円-などとなり、いずれも前年度に比べ減少した。
新規事業は▽久貝自治会公民館建設事業補助金▽漁協統合に係る財務・法律事務委託▽伊良部漁協荷さばき施設撤去工事▽不妊治療渡航費助成金▽マティダ劇場の空調・音響整備改修工事-など。
沖縄振興特別推進交付金いわゆる一括交付金の宮古島市配分10億円と特別枠6億円を活用してソフト事業(一般的に市民サービスなど形として残らないもの)、ハード事業(建物など一般的に目に見える事業)を実施する。
国民健康保険などを含む特別会計は164億1000万円で、一般会計と合わせた総額は507億4000万円で、前年度に比べ9億1000万円の減となった。
15年度予算案は3月2日開会予定の市議会3月定例会に提案される。
一括交付金 国から地方自治体への「ひも付き補助金」を廃止し、地方自治体が自由に使途を決められる交付金。内閣府沖縄担当部局が政府の15年度当初予算案で計上した一括交付金は806億円で、うち宮古島市には10億円の配分が決まった。それとは別に沖縄振興のモデルとなる事業や効果が広域的に波及する事業などを展開する特別枠は6億円が配分される予定。
一括交付金は8割が補助だが、1割は交付税措置となり実質的には9割補助。残り1割は自治体負担となる。