西里、仲間氏に対する採決、自衛隊配備陳情審議へ/宮古島市議会
波乱含み、3月定例会きょう開会
宮古島市議会(真栄城徳彦議長)3月定例会は2日、開会する。今議会では二つの特別委員会で決定した西里芳明市議の議員資格、仲間賴信市議の懲罰についての採決が本会議で行われる。いずれの特別委でも与党が数で押し切った形となった。市議会構成は与党が過半数を占めており、本会議での採決も同様になることは必至。ただ、同件をめぐっては与党の粟国恒広、仲間の両氏が野党などと行動を共にしており、今後も審査案件によっては与党の足並みが乱れる可能性がある。逆に野党や中立派は今回の委員会で一致団結しており、3月定例会でも委員会の在り方などについて追及する方針。自衛隊配備要請に関する陳情書も提出されており、審議が注目される。
下地敏彦市長を支える与党の足並みが乱れたのは、昨年の県知事選。保守系の与党が応援する候補者とは別の候補者を推した粟国、仲間両氏が、与党会派を離脱したことが発端となった。
当時、両氏は与党会派からの離脱について「あくまでも知事選に向けての一時的な措置」と述べ、知事選後は、下地市長を支える与党としての立場と変わらないことを強調していた。
しかし、知事選終了後も与党間でのしこりは解消されず、逆に両氏の議席を野党席寄りに配置換えするなど従来までとは一線を画した。
今回設置された二つの特別委では、野党および「21世紀新風会」、会派に属さない國仲昌二氏のいわゆる中立派に、粟国氏が加わり与党との意見の違いを明確にした。
粟国、仲間両氏は、与党会派を脱会した後、「宮古会」を結成した。粟国氏は今回の特別委については、同僚会派の仲間氏に関わる審査でもあることから、考えが一致している野党などと歩調を合わせている。
市議会における与党としてのスタンスは変わりないとしているが、知事選から特別委員会における一連の動きに与党議員の中から反発の声もあり、回帰が不透明な状況。
野党などは特別委員会での「議論なき採決」「数の暴力」による強行採決を含めた委員会の在り方について、3月定例会でも追及を強める方針で論戦が再燃しそうだ。
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今議会では自衛隊配備促進協議会(野津武彦会長)が提出した陳情書が審議される。
自衛隊配備をめぐっては、昨年6月に武田良太防衛副大臣(当時)が来島し、下地市長に南西諸島の防衛体制の強化を目的とした陸上自衛隊の部隊配備を検討していることを説明、候補地選定に向けた現地調査に協力を求めた。陳情書の提出はこういった背景があるとみられる。
自衛隊配備については保守系の与党議員からも慎重論があり、陳情書を付託される常任委員会での集中審査が注目される。
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3月定例会の会期は25日までの24日間。初日の本会議では、下地市長が2015年度の重要施策や一般会計当初予算案(総額343億3000万円)について表明し、議案を提案する。
3、4の両日は本会議で上程議案に対する質疑が、5~16日までは、本会議から付託された議案などを集中審査する常任委員会(総務財政、文教社会、経済工務)がそれぞれ開かれる。
一般質問は18日から、土、日の休会を挟んで24日までの5日間行われる。