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教育・文化
2015年3月5日(木)9:00

三線の音色響かせる/さんしんの日で愛好家ら演奏会

 1993年に琉球放送が提唱して始まった「ゆかる日 まさる日 さんしんの日」が4日、読谷村文化センターを主会場に開催された。今回で23回目となる「さんしんの日」も、世界中の三線愛好家らが一斉に「かぎやで風」を奏でた。各会場では琉球放送の時報音に合わせて演奏をスタートさせ、三線の魅力を国内外に発信した。この時報音は三線の調弦C調と同じで、「かぎやで風」の最初の音と同じであることからそれに合わせて演奏ををスタートさせている。世界中で三線の音色が響く中、宮古各地でも宮古民謡、琉球民謡愛好家らがそれぞれに会して、三線の美しい調べを披露した。

宮古民謡協会


会員らが息の合った演奏を楽しんだ=4日、上区公民館

会員らが息の合った演奏を楽しんだ=4日、上区公民館

 宮古民謡協会(川満健功会長)の会員ら約50人が上区公民館に集い、同会主催の「さんしんの日」合同演奏会が開かれた。当初はカママ嶺公園内の「とうがにあやぐ歌碑前広場」での集いが予定されていたが、雨のため会場を上区公民館に移して行われた。会場には三線の演奏としっとりとした歌声が響いた。
 川満会長は「雨で急きょ会場を移動した。三線が好きな人ばかりなので、苦境にめげず、きょうは三線を楽しんでほしい」とあいさつした。
 同演奏会は全員による「とうがにあやぐ」の演奏と歌で幕開け。「大世栄」「鏡原馬場」「石嶺の道」4曲を続けて演奏した。
 小中高生による息の合った合奏も披露され、演奏会を盛り上げた。演奏会終了後は懇親会が行われ、会員らが相互の親睦を深めた。

宮古民謡保存協会


息の合った演奏・歌を披露する参加者ら=4日、JAおきなわ宮古地区本部

息の合った演奏・歌を披露する参加者ら=4日、JAおきなわ宮古地区本部

 宮古民謡保存協会(久貝哲雄会長)の交流演奏会は、JAおきなわ宮古地区本部2階大ホールで開催された。祝宴の座開きなどで披露される琉球古典民謡の名曲の一つ、「かぎやで風」で幕開け。子供から大人までが、楽しく三線を演奏した。
 全員が本調子の調弦で臨んだ。宮古民謡を代表す名曲の「豊年の歌」や「米のあら」「なりやまあやぐ」などを繰り広げた。
 引き続き宮古民謡の「東里真中」「家庭和合」「なますのぐう」などが披露され、演奏の音色を響かせた。
 久貝会長は「今日は楽しく三線を弾いて、宮古民謡を歌いましょう」と激励した。

野村流伝統音楽協宮古支部


「かぎやで風」など23曲を演奏した野村流伝統音楽協会宮古支部の演奏会=4日、レストランのむら

「かぎやで風」など23曲を演奏した野村流伝統音楽協会宮古支部の演奏会=4日、レストランのむら

 琉球古典音楽野村流伝統音楽協会宮古支部(波平重夫支部長)は野村流の始祖である野村安趙氏の子孫である野村安潤さんが経営するレストランで正午から演奏会を実施した。
 正午の時報とともに始まった演奏会は、会員約20人が協力団体の琉球箏曲興陽会宮古支部のメンバーと一緒に「かぎやで風」など合計23曲を演奏した。
 あいさつで波平会長は「さんしんの日の演奏会はこれまでの練習の成果を発表する場にもなっている。来年以降もこの演奏会は継続していくのでさらに充実した内容にしていきたい」と述べた。

野村流保存会宮古支部


参加者たちが三線や琴で「かぎやで風」などを演奏した=4日、レストランのむら

参加者たちが三線や琴で「かぎやで風」などを演奏した=4日、レストランのむら

 琉球古典音楽野村流保存会宮古島支部(古波蔵峰子支部長)と野村安趙偲三弦会の演奏会は、午後6時から市内のレストランで行われた。
 沖縄本島の本部からも応援が駆け付けて行われた演奏会は、琉球箏曲保存会と琉球箏曲興陽会も参加し、島袋本流紫の会の会員が優雅な踊りで花を添えた。
 同保存会の富名腰義春相談役は「宮古支部では毎年、この演奏会を開催しているということが素晴らしいと思う。演奏会を継続すれば子供たちもどんどん成長して素晴らしい演奏をしてくれることになるのでそれを期待している」と述べた。
 参加者らが、午後6時の時報に合わせて「かぎやで風」「あは節」「てぃんさぐの花」などを披露すると、観客から大きな拍手が送られた。
 野村安趙(1805~71年)は、市内でレストランを経営する野村安潤さんの先祖。琉球国王に仕え、王の命で三線の楽譜「工工四」を大衆向けに改良・編集した音楽家。


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