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行雲流水
2015年3月24日(火)8:50

「郷の音」(行雲流水)

 そう遠くない昔、私たちの祖先は、恋愛の場でも、お祝いの席でも、アヤグの旋律に即興で歌詞をつけて歌い、想いを伝えあっていた。また、旋律さえも歌う人のアレンジで歌うことがあった


▼歌の好きな伝統は今に受け継がれ、島民は歌うことも、創ることも得意である。作詞・大山高春、作曲・宮平孝志の歌『宮古上布の歌』がある。宮古上布は人頭税下、貢納布として婦女子に苦役を強いるものにもなったが、美しく、上品な上布を織り上げた技術力は高く賞賛される。この歌は宮古フロイデ合唱団の演奏会で発表され、好評を博した

▼作詞・垣花ヒロ、作曲・FUTOSHIの『同窓会のうた』がある。「たくさんの出会いと別れの中で、私たちは心の友、一番煌(きら)めくかけがえの時を共に過ごした大切な仲間」、「これからも、それぞれの人生を精いっぱい生きよう」と呼びかけている。曲には明るさのなかにも、情感が込められていて、懐かしい。同期会の忘年会では、この曲がみんなで歌われた

▼『郷の調べ』は作詞・山内きよ子(池間きよ子、20代の頃に書いた詩)、作曲・長浜隆。郷の音は、「家並みに聞こえた機の音」であり、「銀波に揺るる甘蔗尾花」であり、「茜雲ひきつれて鷹渡る」風景である。「果てなき野辺に君ときて、君と語りし若き日よ」のフレーズがイメージを膨らませて、懐かしさを誘う

▼歌曲風の美しい曲で、ソロでしみじみと歌うことも、コーラスで朗々と歌うこともいい

▼これらの作品が発表されることで、楽しい語らいが広がっていく。

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