戦没者慰霊祭 5地域合同開催へ/市議会一般質問
戦後70年 遺族高齢化で/市長答弁、会場マティダ
開会中の宮古島市議会(真栄城徳彦議長)3月定例会は24日、一般質問を行った。下地敏彦市長は、旧市町村ごとで遺族会が実施している戦没者慰霊祭を、今年から5地域の遺族会と合同で開催することを明らかにした。戦後70年を迎え、遺族の死去や高齢化が進み、遺族会での開催が困難なことが理由で、会場はマティダ市民劇場。前日は亀濱玲子氏に、24日は上里樹氏の質問にそれぞれ答えた。
戦没者の慰霊祭は毎年6月23日の「慰霊の日」に各地域にある慰霊碑の前で行われていた。
しかし、遺族の高齢化で年々参加者が減少、厳しい暑さの中で喪服を着ることも出席を控えさせる要因となっていた。
下地市長は答弁後、マスコミの取材に「これまでの慰霊祭は暑さ対策が万全でなかった。クーラーが効いて、椅子も設置されているマティダ市民劇場での実施で、遺族たちも参加しやすくなるのではないか」と述べた。
糸満市摩文仁にある沖縄戦で亡くなった人の氏名を刻んだ「平和の礎」のように、各地域にある慰霊碑を一つにまとめる計画も進める予定だ。
平良地域遺族会の川満俊夫会長は(70)は「合併10周年、伊良部大橋の開通、終戦70年という節目に合同慰霊祭が実現できることはとてもうれしい、慰霊碑を一つにまとめようとの構想もある。各地域の会長の意見も聞きながら進めていきたい」と話した。
川満会長によると、遺族会の会員は、ほとんどが90歳以上で、遺児も70歳以上と高齢化が進んでいる。死去も相次ぎ、今年1月現在の各地域遺族会の会員は▽平良6人▽城辺1人▽下地4人▽伊良部6人▽上野ゼロ-となっている。
川満会長は「遺族からは『私たちの代で慰霊祭は無くなるのではないか』と心配する声も上がっている」と語った。
合同慰霊祭は、戦後70年の市の取り組みの一つで、下地市長はそのほか▽市総合博物館や各図書館での資料展や講演会開催▽平良庁舎1階ロビーでの県平和祈念資料館と合同の児童生徒平和メッセージ展▽戦跡コース案内板の整備▽戦争に関する映像を広く公開し戦争のない平和な社会を築いていく啓蒙(けいもう)活動-を展開していくと述べた。亀濱氏、上里氏への答弁。