アラフ遺跡出土品を移管/沖国大
「学校教育で生かして」
城辺新城海岸近くのアラフ遺跡の出土遺物が25日までに、沖縄国際大学から宮古島市教育委員会に移管された。シャコガイ製の貝斧など移管された出土遺物は1万5000点に及ぶ。発掘調査を行った同大教授の江上幹幸さんは「学校教育の場で生かしてほしい」と話し、貴重な歴史資料の活用に期待を込めた。出土遺物の一部は市役所城辺庁舎に展示されている。
江上さんを中心とする調査団は、2002年から08年にかけて8次にわたる発掘調査を行った。
調査によって貝斧埋納遺構や豊富な貝・骨製品が出土。このような遺物から長期にわたって人が生活をしたことが分かっている。
また、特に貴重な資料として、用途が違う四つの貝斧がざるのようなものに入れられて埋められていたことも判明。「何か儀礼のようなもので埋められたことが考えられる」とし、当時の人たちの生活様式がかいま見える遺物もあった。
これら歴史上の貴重な資料を宮古島で活用してもらうことなどを狙いに今回の移管が行われた。出土した遺物はコンテナ約390個と膨大で、写真や図面の資料なども移管された。
移管に当たって江上さんは「移管した出土遺物は宮古の人のために活用してもらいたい。学校教育の中でフルに活用していただければ幸い」と話した。
これに市教育委員会の宮國博教育長は「移管された出土資料は宮古の歴史を考える上で非常に重要な意味を持つ」と遺物の価値の高さを強調して感謝。「学校教育課と相談しながら活用していく。ここには壮大なロマンがある。この貴重な資料を活用し、地域、郷土を愛する気持ちを育んでいきたい」と話した。
移管された資料の一部は城辺庁舎に展示。残りは城辺公民館近くの文化財資料室に保管されている。