賦課金増額案を否決/宮古土地改良区総代会
賛成ゼロ、理解得られず/15年度予算も不成立に
宮古土地改良区(下地敏彦理事長)の第26回通常総代会が26日、JAおきなわ宮古地区本部で開かれ、理事会が提案した賦課金(水代)増額案は全会一致で否決された。これにより賦課金の増額を見込んで編成した2015年度一般会計予算案も審議入りできず、不成立のまま散会となった。
理事会提案の賦課金増額案は、これまでの10㌃当たり年間1500円という水代(地積割)に、使用水量割を加える内容だ。基準水量10㌃当たりで、年間200㌧を超過した使用水量に対し1㌧6円を賦課する。
増額する根拠は①農作物の多様化によって計画水量を上回る水が使われている②灌漑施設整備面積の増加に伴って維持管理費が増加している③水使用の不平等感をなくす-こと。財政がひっ迫している現状を訴えながら理解を求めた。
事務局の試算では、この案で賦課金を徴収すると3900万円程度の収入増が見込まれるという。
しかし、総代の多くが異論を展開した。急激な増額では農家の理解が得られないとし、段階的に引き上げていくことや使用水量割の基準水量を200㌧ではなく300㌧に設定するよう求める声があった。
さらに、使用水量のカウントの方法をめぐっても反対意見が噴出。一つの水量メーターで複数のほ場の使用量を管理している地域があるため、このようなほ場では農家個々の正確な使用水量が把握できないことを指摘して異議を唱えた。
これについて事務局は案分の賦課を説明して理解を求めたが、総代らは「隣の人が多く水を使用したから自分まで高い金を払わなければならないと訴える人が必ず出る。水をめぐる紛争が起きる」と突っぱねた。
結果として①地積割2000円、使用水量割の基準水量を300㌧②地積割1500円、使用水量割の基準水量を300㌧-とする総代の対案が示された。
この対案については下地理事長が定款に沿って動議を出すよう促したが、最終的には理事会が提案した内容で採決を取り、全員が反対して否決された。
この否決により、新年度の事業計画案や予算案の審議は先送りされた。
これらの議案は臨時総代会で審議されることになるが、賦課金の関連議案が絡むため、成立に向けては紆余曲折も予想される。