島おこし“小麦”に活路/NPOウムヤス来間島
収穫祭に市民どっと
「島の活性化、島おこしは小麦で」-。NPOウムヤス来間島が主催する小麦収穫祭が5日、来間島にある麦畑前で行われた。多くの市民が参加し、小麦収穫を体験したり、来間島産の菓子を買ったりして小さな島の麦祭りを満喫した。
祭りは昨年に続いて2回目の開催になる。島で小麦を栽培している国仲富美男さんの麦畑の前に特設会場を設営して開いた。
会場では大人気の来間島産小麦粉をはじめ、その小麦粉で作ったシフォンケーキやマフィン、パンが安値で販売された。これらの商品は完売となり、地元特産品の人気の高さをうかがわせた。飲み物やだんご汁は無料で振る舞われた。
開会のセレモニーでウムヤス来間島の仲松義雄会長は「各地域で高齢化が進んでいる。人が少なくなって活力が失われつつある」とする現状を指摘した。「そんな中で私たちは小麦に着目した」と話し、小麦栽培の復活を通して地域の活性化を図る考えを熱弁。「ここで取れた麦で作った商品を味わいながら、小さな島の小麦祭りをぜひ盛り上げてほしい」と呼び掛けた。
国仲さんは来間島の昔の風景を強調した。「昔は各家庭で麦を作っていた。この麦畑こそ昔の来間島の情景だし、癒やしになるのではないかと思う。昔の風景そのものが観光資源になりえると思う」と話し、麦畑が広がる原風景の再現に取り組む意欲を語った。
祭りは、ウクレレ演奏による音楽パフォーマンスで盛り上がった。参加者は麦畑を横目に、のどかな休日の時間を過ごしていた。
収穫体験もあった。参加した直井優さんは「来間島の小麦は貴重ということを聞いていたので収穫祭に参加してみた。収穫は初体験だけど楽しい。良い経験になりました」と話し、収穫作業に夢中だった。