強人、感動のフィナーレ/トライ宮古島大会
家族、友人と共にゴール/伊良部大橋開通で新たな歴史
「今年も感動をありがとう」―。第31回全日本トライアスロン宮古島大会は19日夜、感動のフィナーレを迎えた。1019人が家族や友人と共にゴールして喜びを爆発させた。大会長の下地敏彦市長は「水泳の中止は残念だったが、伊良部大橋という新たなコースが加わったことで良い大会になったと思う」と述べ、新しい歴史を刻み始めた第31回大会を総括した。
制限時間の午後8時30分が近付くにつれて、ゴールの市陸上競技場は盛り上がりを見せた。
選手が競技場に入ってくると家族、友人らが横断幕やのぼりを持って最後のホームストレートを並走。自己の限界に挑み、これを克服したトライアスリートをたたえた。
ゴールした選手はゴールテープを掲げたり、大きな声を上げたりして完走を喜んだ。感激して目頭を熱くする人も多くいた。
午後8時30分、競技場の扉が閉められた。最終ランナーは千葉県の中村英樹さん(42)。痛む足を引きずるように運んでゴールに飛び込んだ。
中村さんは「最後まであきらめないで良かった。沿道の温かい声援に支えられて完走できた。応援してくれた宮古島の人々にありがとうと言いたい」と荒い呼吸のまま感謝を述べた。
下地市長は、デュアスロンになった大会を振り返り「天気が悪く水泳が中止になってしまった。選手たちはこの日のために1年をかけて練習してきた。宮古島の美しい海で泳ぎたいという思いだっただろう。それだけに水泳の中止は本当に残念だった」と話した。
ただ、伊良部大橋がコースになったことを新たな歴史と位置付け。「伊良部大橋というコースを楽しんでいただけた。来年は良い天気で大会を迎え、選手や家族に大会をもっと楽しんでもらいたい」と話した。
制限時間になると会場周辺では花火が打ち上げられた。選手や家族、友人らは完走の喜びを分かち合いながら夜空を見上げていた。