地域住民「急カーブで危険」/県「車減速させ安全確保」
伊良部島の道路整備で、改良したにもかかわらず地域住民から「急カーブになり、以前と比べ危険な道路になった」と指摘の声が上がっている。整備した県宮古事務所は「急カーブは通行車両を減速させ、歩行者の安全を確保するため」と話し、両者の認識の違いが浮き彫りとなっている。
この道路は県道204号線と市道が交わる変則的な交差点。県が「長山港佐良浜港線道路改築工事」として一括交付金を活用し、約3000万円で歩道などを整備した。
工事は4月24日に完了したが、地域住民によると、歩道ができたため急カーブになった。このため付近を通行する車両が、2度にわたり道路と歩道を分離する縁石に乗り上げる事故が発生した。さらにはトライアスロン大会で、バイクが急なカーブを曲がり切れず選手の転倒が見られたという。
幸い大きな事故にはつながらなかったが、地域住民らは改善を求め県宮古事務所に対策を要請した。
同所は、工事で道路の形状が以前と変わったため「地域住民に戸惑いがあった。周知すべきだった」として、道路と歩道が区別できるようにカラーコーン約20個を設置した。
県宮古土木事務所道路整備班の奥間正博班長は「工事は主に歩道と交差点の整備だった。以前に比べて優先道路がはっきりしており、伊良部大橋開通後に増えた車両の流れもスムーズになった」と成果を強調。指摘されている急カーブについては「減速してもらい住宅地に入ってもらう。改良前は減速せずに住宅地に入る車両が多かった。若干、不便を来すが、歩行者の安全を考えた設計になっている」と理解を求めた。
伊良部地区行政連絡員会長の山里英也さんは「道路の整備はありがたいが、以前より危険な状況になったら意味がない。地元の人は、利用していればある程度、道路の状況を分かってくるが、観光客には危険な道路だ」と改善を求めている。