「北福波」7年連続1位/2014年度宮古地区
後継牛2頭も伸びる/種雄牛精液払い下げ実績
県宮古家畜保健衛生所は30日までに、県所有種雄牛の2014年度宮古地区における精液払い下げ本数をまとめた。払い下げ本数は第1位は、一般への配布を終了した宮古島市産まれの名牛「北福波」で本数は1028本だった。第2位は北福波の直系「福福波」で830本、同じ直系の「光北福」も第3位に入る実績を収めた。今後は後継牛として選抜されたこの2頭の成績が注目される。
北福波の産地は宮古島市の平良。血統は、父が「北国7の8」、母の父は全国的に知られている「安福165の9」という組み合わせで誕生した。1998年10月10日産まれ。
肉質の面で遺伝能力が非常に強く、産子はばらつきの少ない斉一性が強み。抜群の脂肪交雑(霜降りの度合い)能力による上物率の高さに加え、ロース芯面積が大きく、全国各地の共励会で何度も上位に入賞している。県所有の歴代種雄牛の中で最も利用された。
精液の単価は5000円と高額だが、2008年度から7年連続第1位の払い下げ実績となった。JAおきなわ宮古地区畜産振興センター畜産部によると、14年度の宮古家畜市場に上場された北福波の産子は978頭で、1頭平均価格は50万5596円(税抜き)と高値で販売されている。
県内最高種雄牛の呼び声高い北福波だが、高齢が影響して14年に一般への精液配布が終了。今は改良目的のみに使用されている。
その北福波に代わって期待されるのが初の後継牛福福波だ。14年度は前年度第2位の「勝群星」を抜いて830本を払い下げた。
伊江村産まれの福福波は産肉能力の優秀さが広く県内外に知られている。現場後代検定では、県種雄牛中トップの79・1%の上物率を記録。枝肉の重量やばら厚、脂肪交雑で父の北福波を上回る能力が推定されるなど、県期待の種雄牛として注目を集めている。
同じ北福波の後継の光北福は宮古島市産まれ。14年度の払い下げ本数は635本となり、堂々第3位にランクインしている。
このほか「美島福」「百合美津」「勝美福」がそれぞれ50本となっており、合計3419本の払い下げ実績となった。