市平和宣言文 起草委員会が発足
合同慰霊祭で発表へ/委員3人に委嘱状交付
宮古島市主催で慰霊の日の6月23日にマティダ市民劇場で開かれる合同慰霊祭で、下地敏彦市長が発表する宮古島市平和宣言の文案を策定する市平和宣言文起草委員会が8日に発足。市役所平良庁舎で委員に委嘱状が交付された。引き続き第1回委員会を行い、事務局が作成した宣言文案について意見を交わした。
戦後70周年の節目を迎える今年、市では恒久平和を希求し平和を誓うための平和宣言を発表する方針を決定し、今回、宣言文案を起草する委員会を設置。長濱政治副市長が会長となり、全3回の委員会で文案を取りまとめる。
第1回委員会では、事務局がたたき台となる宣言文案を提示。それによると、第二次世界大戦では宮古島に三つの飛行場を作るため多くの住民が動員されたこと、飛行場完成後は連日のように空爆を受け多くの被害が出たこと、マラリアにより命を落とす人も多くいた事実を明記。戦争で多くの命が失われたことと平和の尊さを後世に伝えなければならないとした上で、「核兵器廃絶平和都市」を宣言している市が、「宣言に込められた強い思いを抱き、世界平和の実現に向かって力強く進んでいくことを誓う」としている。
委員からは「戦争という厳しい状況を乗り越えて手にした平和を、維持するためにすべき努力についても盛り込むべき」や「過去の反省に立って二度と戦争はしない、させないという宣言も必要」、「戦争放棄をうたった平和憲法についても盛り込んでほしい」などの意見が出た。また、「宣言文を策定するに当たっては市のスタンスが重要」として、憲法9条に対する市の考え方を示すよう求める要望も挙がった。
それに対し長濱副市長は、下地市長がこれまでに市議会で答弁してきた市長の考えをまとめ提示する考えを示すとともに、今委員会で出た意見を盛り込んだ宣言文案を事務局で作成し、その案を次回、委員会で審議することを確認した。
第2回委員会は今月15日、第3回委員会は同22日に開かれる。
委嘱を受けた委員は次の通り。
【会長】長濱政治副市長【委員】下地和宏市史編さん委員会委員長▽砂川泰政宮古毎日新聞社取締役相談役▽池間康宮古新報社取締役統括本部長