陸自計画、11日にも提示/防衛省
左藤副大臣が10日来島/賛否2団体は市に要請行動
宮古島への陸上自衛隊警備部隊配備計画で、左藤章防衛副大臣が11日にも下地敏彦市長と面談し、具体的な配備計画を示すものとみられる。陸自配備を巡っては市民の間で賛否の声が広がっており、8日には関係2団体が市に要請行動を展開。「過疎化の問題が解消され、絶大な経済効果がある」とする誘致団体に対して、反対団体は「国際紛争の火種になる」と危機感を募らせている。
左藤副大臣は10日午後に宮古入りする。11日に下地市長と面談し、部隊の規模や候補地など計画の具体案を示すとみられる。同日のうちに石垣に発つ。
現実問題として動き始めた陸自計画を受け、地元市民団体は8日、市に対して要請行動を行った。
早期配備を求める自衛隊配備促進協議会(野津武彦会長)は、市が積極的に誘致するよう要望。「過疎化問題の解消や経済効果、雇用の創出、道路等のインフラ整備、災害発生時の救援活動、緊急患者の搬送、不発弾の処理など計り知れないメリットがある」などと訴える要請書を、長濱政治副市長に手渡した。
同会メンバーの上地博通さんは「何よりも中国があからさまに挑発しているのを黙って見ているわけにはいかない。自分の国は自分で守るというのが基本。自衛隊に来てもらい、先島の防衛に頑張ってほしい」とする考えを示し、陸自の早期配備を強く求めた。
長濱副市長は「要請の趣旨は市長に伝える。なかなか難しい問題と思うが、国がこういう動きをしている以上、議会とも相談しながら進めたいというのが市長の考え」と述べた。
一方、宮古平和運動連絡協議会と平和運動センター宮古島は、陸自の配備に反対するよう求める連名の要請書を提出した。
配備に伴う経済効果を否定し「自衛隊と米軍は一体のもの。基地は米軍にも共同使用され、さまざまな危険性や問題が起きるリスクが高まる」とし、「緊張高まる小さな島では観光客の足は遠のく」と主張。その上で「宮古で暮らす人々の生活を破壊し、国際紛争の火種になりかねない自衛隊配備を進めることを決して認めることはできない」とする姿勢を打ち出した。
これに長濱副市長は「要請は市長に伝える。今は情報がよく分からない。具体的な話が国からきた時点で議会、住民ともいろいろな話をしながら判断していくと思う」と返答した。
要請後、反対団体は会見を開き、自衛隊の宮古島配備に反対し、撤回を求める声明を発表。同日付で中谷防衛大臣宛て郵送した。
宮古島への配備が計画されている陸自の規模は、隊員が約500人を想定。地対空、地対艦ミサイルの配備も検討されている。