葉タバコ被害、深刻
JT調査 宮古全域で落葉確認
台風6号影響 塩害の拡大も懸念
台風6号直撃に伴う葉タバコの被害が深刻だ。落葉や葉の裂傷は宮古地区全域に及んでおり、塩害の拡大も懸念される。13日には日本たばこ産業(JT)が宮古入りして各地の被害状況を調べた。被害額は近く公表されるが、大きな損失になるものとみられる。
台風は12日午前、宮古島地方を暴風域に巻き込みながら北上した。各地で吹き荒れた強風は農産物に大小の被害を与え、葉タバコを除く被害総額は3億1000万円余に及んでいる。
中でも被害額が未確定の葉タバコは深刻だ。被害の程度にばらつきはあるものの宮古全域で強風による落葉が見られた。落葉のない茎も、葉の裂傷で品質の低下は免れない状況だ。
特に海岸沿いは被害が顕著に表れている。平良狩俣の西側では、部分的に葉の全部が吹き飛ばされているほ場が散見。根本から倒れている茎もあった。葉がなく、茎だけが無残に残っているほ場も見られた。
塩害も広がっている。城辺仲原などのほ場では、葉が枯れたように変色しているほ場があった。別の地域では葉先が焼けたように黒ずんでいる葉もある。
台風通過後は好天が続いているため、さらなる塩害の拡大が懸念される。
これら大小の被害は伊良部島、多良間島を含む宮古地区全域で見られ、被害の大きさを裏付けている。
生産農家の中には、かろうじて畑に残った葉を収穫する人も。台風被害の大きさに「何も言えない」と落胆し、「取れるものだけでも取る」と力なく話した。
JTは同日のうちに被害調査を完了。持ち帰って被害額を算出し、宮古島市に報告する予定だ。
2011年5月28日に襲来した台風は、葉タバコで16億円の損害を出した。当時は重量比で全体収量の5割ほどの葉タバコが被害に遭ったが、今回は同比約7割の葉タバコがほ場に残る状態で台風の暴風域に巻き込まれている。大きな損失が出ることは確実だ。