撤去せずに存続へ/北と平一シンボルツリー
応急措置で対応へ/市教委が現場確認
台風6号の暴風を受けて倒れた北小学校と平良第一小学校の「シンボルツリー」のガジュマルについて13日、市教育委員会の担当職員が造園の専門家と一緒に現場を調査し、両校の折れたガジュマルについては応急措置を実施し、存続させることを確認した。現場を確認した専門家は存続について「かなり厳しい状況」との見方を示したが、存続を求める学校側、市教委の強い要望を受けて応急的な措置をした上で存続させて、しばらくは様子を見ることとなっ
た。
今回の台風で折れたガジュマルは、北小が正門にある大木。平一小は運動場の中央付近にある2本のガジュマルのうち、1本が真ん中から裂けて、裂けた半分が倒れている。
北小の倒れたガジュマルは、以前の台風でも一部が倒れており、今回は残った部分の半分以上が完全に折れてしまった。
調査した上で、完全に折れた部分については撤去し、残った部分はそのまま残すこととなった。
平一小のガジュマルは、裂けて倒れた部分も撤去せずに残った幹にワイヤで縛り、しばらくは様子を見るとしている。
市教委の担当者も「両方のガジュマルとも卒業生にとっては思い出深い木なので、折れたからすぐ撤去とはできない。どんな形でも良いので残す方向で取り組みたい」と話した。
低学年のころは北小、途中から平一小に通ったと話す70代の男性は「この2本のガジュマルは私が入学する前からあの場所にあったので少なくとも樹齢は70~80年以上、もしかしたら100年以上はあると思う」と話した。
また、70代の女性も「朝からこのニュースを聞いて寂しい気持ちになった。私は平一小の卒業生ではないが子供たちが通ったころから運動場の真ん中にあって平一小のシンボルだったのに」と寂しげに話した。
折れた2本のガジュマルは卒業生にとって、校舎や学校の雰囲気が大きく変わった現在でも、当時を思い出す大切な存在だったようで、13日も朝早くから学校に訪れて携帯電話のカメラでその状況を撮影する人の姿も見られた。