葉タバコ 被害額20億4500万円/台風6号
過去最大の損失に/宮古島市全域で落葉
台風6号直撃に伴う宮古島市の葉タバコ被害額が、計画収量比で20億4572万円に上ることが日本たばこ産業(JT)などの調査で分かった。2011年5月の台風被害額16億円をはるかに上回る過去最大の損失となった。15日、宮古島市が発表した。
市農政課に入った報告によると、10㌃当たりの計画収量229㌔に対して被害収量は174㌔。この数字からはじく被害総額が20億円を超えているという。
台風6号は12日に宮古島地方を暴風域に巻き込みながら北上した。この台風によって、宮古全域で葉の多くが吹き飛ばされた。落葉がなくても葉が激しく裂傷しており、品質の低下は免れない状況にある。塩害も被害に拍車を掛けた。
JTが13日に被害調査を実施した後、一部の農家は収穫を再開しているが、葉タバコ栽培史上最悪の被害に落胆の色は隠せない。
正確な損失額は買い取り後に明らかになるが、市の契約農家129戸の収入に大きな影響を与えることは必至の状況だ。
葉タバコは4年前の11年にも甚大な被害を被っている。このときは5月28日に台風が襲来、当時は重量比で全体の5割程度が被害に遭ったが、今回は3割程度しか収穫していない状態で暴風域に巻き込まれた。このため全体の約7割が被害に遭ったことになる。
いずれも5月の台風で大きな被害を受けている葉タバコ。台風対策が課題として浮上している。
台風6号はその他の作物にも被害を与えており、サトウキビやゴーヤーなど農産物の被害総額は3億1000万円余に及んでいる。