葉タバコ被害を視察/県議会経済労働委
上原委員長「予想超える」/行政と提携、支援策協議へ
県議会の経済労働委員会(上原章委員長)は20日、台風6号で被害を受けた葉タバコなどを視察した。被害状況を実際に見て、行政などの関係機関にどのような支援を求めていくべきかを協議することが主な目的。上原委員長は「ここまで甚大とは」と予想を超える被害との認識を示した上で、「県議会としてどうサポートしていけるか。国、県、市の支援メニューを含めて、生産農家にどういった対策ができるか協議していきたい」と述べた。
委員12人中、9人が参加。担当者から被害状況の概要説明を受けた後、平良地区のゴーヤーハウスや伊良部地区の葉タバコ、葉タバコ共同乾燥施設などを視察した後、耕作組合と意見交換を行った。
このうち、伊良部仲地にある葉タバコ畑では、台風の強風で葉が吹き飛ばされ茎だけになった葉タバコや、塩害の影響を受けたとみられる変色した葉タバコを視察した。
上原委員長は「報道で聞いてはいたが、実際に現場を見るとここまで甚大だったかというのが実感」と話し、行政と提携しながら各種支援策を検討する方針を示した。
委員の座喜味一幸氏は「葉タバコ生産農家に対する支援が乏しい。経営をいかに持続していくかが大事だ。制度資金と施設整備の補助率アップなど、制度の拡充を総合的に判断しながら、県当局としっかりと話し合っていきたい」と語った。
伊良部葉たばこ生産組合の伊佐善博さん(65)は、今期は約10㌧の収量を見込んでいたが、半分の約5㌧しか収穫していないという。「私はまだ良い方。ほかの人は2~3割くらいの収量ではないか。これから本格的な収穫という時だったので損害は大きい」と話した。
同組合葉たばこ共同乾燥施設の下地勝組合長は、農薬や葉たばこ施設用ビニールなどの資材代金は売り上げから差し引かれると言い「JTだけでなく、国や県、市も資材代金をいくらか助成してもらいたい」と語った。
下地組合長によると同地区の生産農家は14戸で、今期は約2億円の売り上げを見込んでいたが、1億円を下回ることは確実という。