行雲流水
2015年6月9日(火)8:55
「宮高女・宮古女子高校同窓会」(行雲流水)
宮古高等女学校・宮古女子高等学校同窓会の創立80年記念式典・祝賀会が、明日6月10日開催される。なお、同同窓会は、会員の高齢化に伴って、今回の創立80周年の節目をもって活動を終了する
▼旧制宮古中学校が創立されたのが昭和3年で、それから後れること8年、昭和11年宮古高等女学校は創立された。開校式典に続いて提灯行列が行われたことでも郡民悲願の達成だったことが分かる
▼現在の宮古高校球場敷地にあった学校は、沖縄一美しい学園と称えられた。グラウンド東側には数段の長いスタンドがあり、さらにその東側には松林があった。そこで朝礼がもたれ、放課後には生徒たちの、散策し語りあう姿があった
▼戦時体制が強まっていくと、スカートはモンペに変わり、防空壕堀や飛行場整備作業に駆り出された
▼戦後の昭和23年、新学制により宮古高等女学校は宮古女子高等学校と改称され、昭和29年には宮古高校に統合された。この時代、何もない時代であったが、学園は、平和で民主的な文化国家を目指す時代の要請に呼応して、明るく、希望に満ちていた。制定された校歌の中の「愛と平和のさきがけに真白き百合をかかげたり」という言葉が象徴的で、そこで学ぶ乙女たちの知的で清らかな姿と、進取の精神に富む学園をイメージさせた
▼この女子教育の殿堂と、その卒業生たちは、社会の正常な発展、なかでも女性の地位向上に大きく寄与してきた。その功績は、当地の歴史に燦然(さんぜん)と輝き、長く語り継がれていくことだろう。