爬龍舟競漕に沸く/各地でハーリー
航海安全祈願し「ゴーヘイ」
伊良部大橋開通後初/佐良浜漁港
旧暦5月4日(ユッカヌヒー)に当たる19日、向こう一年間の航海安全と大漁を願う海の祭典「ハーリー・海神祭」が佐良浜漁港や久松漁港、池間島の水浜など7カ所で開催された。海の男たちによる勇壮な爬龍舟(はりゅうせん)競漕(きょうそう)では、「ゴーヘイ、ゴーヘイ」と掛け声を響かせて力強いかいさばきを披露。水しぶきを上げながらの激しいレース展開に、観客からは「頑張れ」「負けるなー」と大きな声援が送られた。
伊良部大橋が開通して初めての海神祭となる佐良浜漁港では、各漁船が早朝から鮮やかな大漁旗を掲げて港を彩った。
大橋が開通したことから、多くの観光客や宮古島からの来場者も訪れることを見込んで今回は「カツオのおおばんまい」のほか、カツオ模擬釣り体験や民謡ショーなども開催された。 池間添と前里添に分かれて実施した爬龍舟競漕は、水しぶき上げて疾走する爬龍舟に観光客からは「かっこいいね」「乗ってみたい」などの感想が聞かれた。
そのほか、伊良部漁協そばの特設会場では、佐良浜保育所、同幼稚園、同小学校、同中学校の園児、児童、生徒たちがダンスやエイサーを披露したほか、婦人会や老人クラブも息の合った踊りで海神祭を盛り上げた。
また、沖縄本島から民泊で訪れていた沖縄市立美東小学校の児童たちも、島の人たちと一緒にまつりに参加して楽しいひとときを過ごした。
伊良部漁協の漢那一浩組合長は「伊良部大橋が開通して初めて海神祭なので、佐良浜地域の伝統行事ハーリーをこれからもしっかり継承し、皆さんと一緒に航海の安全と大漁を祈願したい」とあいさつした。
梅雨明けして暑い日が続く宮古島地方。この日の最高気温も32・4度(午後0時56分)を観測し、照りつける強い日差し中で各地のハーリーは盛り上がった。