市選管判断は「告発せず」/西里氏問題
議員の申し入れ拒否/「調査無き結論」との声も
西里芳明市議の市議選立候補届出内容をめぐり、告発の有無などを審議してきた市選挙管理委員会(下地淳徳委員長)は22日、刑事告訴法239条第2項に沿って告発するよう申し入れていた市議会野党や新風会、みゃーく会などに対して「告発できない」との回答を行った。また、下地委員長の議会答弁の虚偽性を指摘した公開質問状に対して、「思い違いの答弁だった。申し訳なく思っている」と謝罪した。
同問題は、西里氏が市議選に立候補した際の届出書の記載内容が発端。本来は「会社役員」とすべきところを「会社員」と記載したため、公職選挙法に定められた虚偽事項の公表罪に抵触する恐れが指摘されている。
3月議会における下地委員長答弁では「届出の記載内容からすると公選法第235条の虚偽事項の公表罪に抵触する恐れがあると思われる」と述べてさらに、虚偽記載と認定した場合の措置については「公表罪に抵触するおそれがあると思われるので司法の場での判断に委ねられることになるかと思われる」としていた。
これを受け、野党らは5月21日に刑事訴訟法239条の2項を示し「官吏または公吏は、その職務を行うことにより犯罪があると思量するときは、告発をしなければならない」と義務づけられているとして、市選管に速やかな告発を申し入れていた。
これを受けた市選管の回答では「刑事訴訟法239条第2項の規定には合致しない。選挙事務は適性に執行されたこともあり、告発はできない」としている。
そのほかにも、「告発」は刑事訴訟法の規定に基づくもので、同法は選挙管理委員会の所管する法律とはなっていないことも理由として挙げている。
今回の判断を下すに当たり、西里氏本人を委員会に呼んで事実確認を行うなどの調査について、市選管は「実施していない」と説明。これに対して一部の議員からは「調査も根拠もない判断」との声も上がっている。
また、下地委員長の議会答弁で西里市議の問題が絡む公選法の事例調査において、他県の選管に電話を入れたとする答弁の虚偽性を指摘した質問状に対して下地委員長は「私の思い違いの答弁。市民に誤解を与えるような答弁をしたことは申し訳なく思っている。確認をしっかりした上で説明責任を果たしたい」と述べた。