自衛隊配備 誘致派の陳情書を採択/市議会総務財政委
与党の賛成多数で/反対派の陳情は不採択に
市議会の総務財政委員会(嵩原弘委員長)は29日、市役所平良庁舎で委員会を開き、自衛隊配備促進協議会(野津武彦会長)が提出した「宮古島市への自衛隊早期配備に関する要請書(陳情書)」を与党の賛成多数で採択した。早期配備の推進を防衛大臣などの関係機関へ提出する意見書は見送った。宮古平和運動連絡協議会(清水早子共同代表)の「自衛隊の宮古島配備に反対する要請(陳情書)」は不採択とした。この日の審査と採決については7月8日の最終本会議で、嵩原委員長が報告した後、市議会としての最終的な採決が行われる。
採択した「自衛隊早期配備要請書」には「行政側の説明をしっかりとしていただきたい」などとした付帯意見を付けることを確認した。
野党の委員から2件の陳情書を「再継続審査」「継続審査」にする意見もあったが、いずれも賛成少数で否決された。
与党会派公明の高吉幸光氏、中立会派21世紀新風会の前里光恵氏、山里雅彦氏は「判断する資料が乏しい」「市民や議会への説明がされていない」などとして退席し、2件の陳情書の採決には加わらなかった。
採択された誘致派の陳情書には、「自衛隊が配備されれば過疎問題の解消や絶大なる経済効果、雇用の創出、道路等のインフラ整備、災害(台風等)発生時の救援活動など計り知れないメリットが予想される」などと明記されている。
一方、不採択になった陳情書には「自衛隊誘致が経済発展につながらないことは自衛隊基地が存在する地域を見ても明らか」と指摘。「軍事基地がある所が有事に攻撃目標とされることは周知のこと」などと配備反対を訴えていた。
猪澤也寸志さん(下地川満)から提出され、同委員会に付託されていた「自衛隊配備に伴う損失試算に関する請願書」は不採択とした。