宮古島マリン社が解散
定時株主総会で承認/資産競売など清算手続きへ
宮古島市などが出資していた第三セクターの宮古島マリンターミナル社(社長・下地敏彦市長)の第25期(2014年度)定時株主総会が30日、平良港ターミナルビルで開かれ、多額の負債を抱えた同社を解散する議案が承認され、同日付で解散した。今後は裁判所による清算手続きが行われ、土地や建物などの資産が競売に掛けられる。
同社はこれまで、民事再生手続きによる会社再建の道を模索してきた。11年度にホテル棟を8億3000万円で売却し債務の一部返済に充てたものの、約20億円の借入金が残っていた。ホテルからの家賃収入がなくなったこともあり、その後も赤字の計上が続き、15年3月末現在での累積赤字は25億1636万円にまで膨れあがった。
市が13年度に設置した第三セクター等経営検討委員会で同社の経営状況を検討してきた結果、事業再生は不可能で早期に整理すべきとの結論に至った。それらを踏まえ、5月29日に開かれた取締役会で会社を解散する方針を決定し、今定期株主総会へ提案された。
株主総会では、会社解散議案のほか、解散のために必要となる定款の一部変更、代表清算人に下地市長、清算人に垣花義一常務を選任する議案などを承認した。採決を前に下地市長は「これまで多くの人の協力を得ながら会社再建に取り組んできたが、解散という結果となってしまった。これまで支援、協力をしてもらった株主の皆さんに損失を与えたことに心から深くおわびしたい」と述べるとともに理解を求めた。
4人の在職職員については垣花常務が、取締役会での解散決定を受け、解雇予告通知を1カ月前に行ったこと、会社解散と同時に職を失うこと、清算手続き中は清算人が雇用し残務処理に当たってもらい、その後は就職先のあっせんなどに取り組む考えを示した。