子宮頸がん副反応 新たに5人が判明/ワクチン接種状況調査結果
症状訴えは計10人に/市、実情に即した支援約束
宮古島市は1日、「子宮頸がん予防ワクチン接種後の体調の変化に関する状況調査」(実施日・5月15日~6月12日)の結果を発表した。同調査前にすでに5人が副反応を訴えていたが、今回の調査で新たに5人が副反応と思われる症状が現在も続いていることが判明した。調査票は対象1632人に対して送付され、回答は405人(回収率24・8%)だった。平良哲則生活環境部長は「今回の調査で新たに5人が判明したので市としてもしっかり支援していきたい」と述べた。
合計3回接種する同予防ワクチンだが「何回接種したか」の問いには「3回」が254人、「2回」が97人、「1回」が47人だった。
まだ3回すべての接種を行っていない144人を対象に「2回目、3回目の接種を希望するか」の質問には「希望しない」が最も多く62人、「副反応の問題が解決されるまで接種は見送る予定」が43人、「検討中」が32人で「3回目まで接種予定」はわずか4人だった。
ワクチン接種後の体調変化については、「はい」の回答が98人、「いいえ」が290人、未回答が17人となった。症状については、延べ人数で「注射部の腫れ、あかみ」が最も多く61人、「注射部の痛み、かゆみ」が51人、「だるさ、疲労感、脱力感」が39人。そのほか、「頭痛」が13人、「めまい」も12人いた。
症状の期間については、「2日以上1週間未満」が5割を占め、「1週間以上1カ月未満」が17人(17・4%)となり「現在も続いてる」が10人(10・2%)となった。
症状が出た際の病院受診については、「受診していない」が最も多く86人。「治療継続中」が6人、「受診し治療終了」が3人となっている。
宮古地区で副反応と思われる症状を10人が訴えていることについて、健康増進課では「思ったよりも人数は多いと思う。回答数からしても実際はもっといるかもしれない」と述べた。
また、調査では83人が同ワクチン接種について意見を記入した。その内容につて同課では「一番多いのが、副反応の問題がマスコミに取り上げられ、不安を抱えている人が多く、現在症状を訴えている人もそうだが、症状が出ていない人も何年後かに出るのかという不安を抱えている」と説明した。
そのほかにも「ワクチンについては良いことなので副反応の因果関係を明らかにして接種は継続すべき」や、副反応で苦しむ当事者や家族について「国、県、市の責任において積極的に支援していくべき」などの意見も記されていた。
市では、同予防ワクチン接種後の健康被害に対する医療費や渡航費などについて助成を行うことをすでに決定しているが、今後も追跡調査を行い、実情に応じた支援策を講じていくとしている。
被害者の家族や関係者で発足した支える会では、今回の調査結果について「新たに5人と聞いて、やっぱりまだこれだけいたんだという思い。みんな不安を抱えていると思うのでできるだけ多くの人数でこの問題を訴えていきたい」と話した。