キビへのかん水始まる
農家申し込み700件超/少雨傾向で被害懸念
まとまった雨がなく少雨傾向で農作物への影響が懸念される中、サトウキビ生産農家が市の補助金を活用したキビへのかん水作業が3日、宮古本島と伊良部で本格化した。伊良部の一部地域では葉のロール現象や葉の黄変現象が起こるなど、今後の被害が心配されている。
3日午前、宮古地区トラック事業協同組合と同組合伊良部支部へ農家が申し込んだかん水件数は合計711件に上った。
地域別かん水件数は、平良地区が249件、城辺地区189件、上野地区82件、下地地区91件、伊良部100件の計711件。
トラック1台当たりのかん水費用は3500円で、内訳は市補助2000円、農家負担1500円。少雨傾向が長引くと、農家の経済的負担は大きくなる。
伊良部では土地改良は進んでいるが、スプリンクラーが未整備のために深刻になりつつある。水タンクを乗せたダンプは農業用貯水池から水を運搬。日増しにかん水地域は拡大している。
宮古島地方気象台によると、向こう1週間(4~10日)は、期間の前半は太平洋高気圧に覆われ、おおむね晴れる見込み。期間の後半は台風9号や湿った気流の影響で、8日は曇り、9日と10日は曇り一時雨と予想している。
宮古製糖伊良部工場では「台風9号の影響による恵みの雨を期待している」と語った。その上で「キビ生産農家によっては先月下旬から自主かん水をおこなっている。補助金の適用がないから、農家の出費は大きい」と話した。